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HER2/NEU遺伝子過剰発現の転移性/進行性胃または胃食道接合部腺がんに対するHER2/NEUワクチンIMU-131+標準化学療法、死亡リスクを58.2%減少させる

この記事の3つのポイント
HER2/NEU遺伝子過剰発現転移性/進行性胃または胃食道接合部腺がん患者が対象の第2相試験
・HER2/NEUワクチンIMU-131+標準化学療法有効性安全性を標準化学療法と比較検証
・死亡リスクを58.2%、病勢進行または死亡リスクを46.8%減少した

2021年6月31日~7月3日に開催された、欧州臨床腫瘍学会世界消化器癌会議(ESMO 23rd World Congress on Gastrointestinal Cancer)にてHER2/NEU遺伝子を過剰発現している転移性/進行性胃または胃食道接合部腺がん患者に対するHER2/NEUワクチンであるIMU-131+標準化学療法の有効性、安全性を検証した第2相のHERIZON試験(NCT02795988)の結果がARENSIA Exploratory MedicineのM. Maglakelidze氏らにより公表された。

HERIZON試験は、HER2/NEU遺伝子を過剰発現している転移性/進行性胃または胃食道接合部腺がん患者(N=27人)に対して標準化学療法を投与する群、または標準化学療法+0、14、35、77日目(以降は63日毎)にIMU-131を50ug投与する群に分け、主要評価項目として全生存期間OS)、副次評価項目として無増悪生存期間PFS)、安全性などを検証した多施設共同ランダム化オープンラベル第2相試験である。

本試験の全集団解析の結果、標準化学療法群で8人、標準化学療法+IMU-131併用群で4人が死亡し、主要評価項目である全生存率(OS)は標準化学療法に比べて標準化学療法+IMU-131は死亡のリスクを58.2%(HR:0.418、80%信頼区間:0.186-0.942)減少した。また、標準化学療法群で9人、標準化学療法+IMU-131併用群で6人が病勢進行し、副次評価項目である主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)は、標準化学療法に比べて標準化学療法+IMU-131で病勢進行または死亡のリスクを46.8%(HR:0.532、80%信頼区間:0.267-1.060)減少した。一方の安全性として、両群間で有害事象(AE)に統計学有意な差は確認されなかった。

また、第1b試験の結果より、IMU-131によるHER2抗体の水準が腫瘍反応と強く相関していることも示唆された。

以上のHERIZON試験の結果よりM. Maglakelidze氏らは「HER2/NEUワクチンであるIMU-131は、抗HER2モノクローナル抗体であるトラスツマブ同様の効果を示し、標準化学療法との併用によりHER2/NEU遺伝子過剰発現する転移性/進行性胃または胃食道接合部腺がん患者に対して良好な抗腫瘍効果を示しました。IMU-131は、HER2遺伝子を過剰発現する悪性腫瘍に対して費用対効果の高い重要な治療選択肢になる可能性が示されました」と結論を述べている。

HERIZON: Phase 2 part of the IMU-131 HER2/neu vaccine plus chemotherapy study randomized in patients with HER2/NEU overexpressing metastatic or advanced adenocarcinoma of the stomach or gastroesophageal junction(ESMO 23rd World Congress on Gastrointestinal Cancer,Abstract P-159)

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