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DNA修復能欠損の転移性去勢抵抗性前立腺がんに対するPARP阻害薬タラゾパリブ単剤療法、客観的奏効率29.8%を示す

この記事の3つのポイント
・複数治療歴のあるDNA修復能欠損の転移性去勢抵抗性前立腺がん患者が対象の第2相試験
・タラゾパリブ単剤療法有効性安全性を検証
・客観的奏効率29.8%であり、持続的で良好な抗腫瘍効果を示した

2021年8月20日、医学誌『The Lancet Oncology』にて複数治療歴のあるDNA修復能欠損の転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCSPC)患者に対するポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害薬であるタラゾパリブ単剤療法の有効性、安全性を検証した第2相のTALAPRO-1試験(NCT03148795)の結果がThe Institute of Cancer Research and Royal Marsden HospitalのJohann S de Bono氏らにより公表された。

TALAPRO-1試験は、複数治療歴のあるDNA修復能欠損の転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCSPC)患者(N=128人)に対して1日1回タラゾパリブ1mg(腎機能障害を有する患者に対しては0.75mg)単剤を投与し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)を検証した第2相試験である。

本試験が開始された背景として、DNA損傷応答能の欠失は相同組換え修復(HRR)遺伝子変異に関連している。そのため、相同組換え修復(HRR)遺伝子変異を標的にするポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害薬タラゾパリブによる治療はDNA修復能欠損の転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCSPC)に対して有用性を示す可能性がある。以上の背景より、本試験が開始された。

本試験のフォローアップ期間中央値16.4ヶ月(11.1~22.1ヶ月)時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は29.8%(95%信頼区間:21.2~39.6%、N=31/104人)を示した。

一方の安全性として、最も多くの患者で確認されたグレード3~4の治療関連有害事象(TRAE)は貧血31%(N=39人)、血小板減少症9%(N=11人)、好中球減少症8%(N=10人)。重篤な治療関連有害事象は34%(N=43人)、治療関連有害事象(TRAE)を原因とした死亡は0人であった。

以上のTALAPRO-1試験の結果よりJohann S de Bono氏らは「複数治療歴のあるDNA修復能欠損の転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCSPC)患者に対するポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害薬タラゾパリブ単剤療法は持続的で良好な抗腫瘍効果を示しました」と結論を述べている。

Talazoparib monotherapy in metastatic castration-resistant prostate cancer with DNA repair alterations (TALAPRO-1): an open-label, phase 2 trial(Lancet Oncol. 2021 Aug 10;S1470-2045(21)00376-4. doi: 10.1016/S1470-2045(21)00376-4.)

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