・アンドロゲン受容体陽性唾液腺がん患者が対象の第2相試験
・二次治療としてザイティガ+プレドニゾン+黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH-RH)アゴニスト療法の有効性・安全性を検証
・客観的奏効率は21%を示した、奏効の内訳は部分奏効5人だった
2021年10月1日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にてアンドロゲン受容体陽性唾液腺がん患者に対する二次治療としてのCYP17阻害薬であるザイティガ(一般名:アビラテロン、以下ザイティガ)+プレドニゾン+黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH-RH)アゴニスト療法の有効性、安全性を検証した第2相試験の結果がFondazione IRCCS Istituto Nazionale dei TumoriのLaura D. Locati氏らにより公表された。
本試験は、アンドロゲン受容体陽性唾液腺がん患者(N=24人)に対する二次治療として1日1回ザイティガ1g+プレドニゾン10mg+黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH-RH)アゴニスト療法を実施し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)、副次評価項目として病勢コントロール率(DCR)、安全性、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)などを検証した第2相試験である。
本試験に登録された患者の年齢中央値65.8歳であった。主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は21%、奏効の内訳は部分奏効5人を示した。副次評価項目である病勢コントロール率(DCR)は62.5%、奏効持続期間(DOR)中央値は5.82ヶ月を示した。無増悪生存期間(PFS)中央値は3.65ヶ月(95%信頼区間:1.94~5.89ヶ月)、全生存期間(OS)中央値は22.47ヶ月(95%信頼区間:6.74ヶ月~未到達)を示した。
一方の安全性として、全グレードの有害事象(AE)発症率は92%(N=22人)、グレード3の有害事象(AE)発症率は25%(N=6人)を示し、その内容は疲労2人、紅潮1人、上室性頻脈1人であった。
以上の第2相試験の結果よりLaura D. Locati氏らは以下のように結論を述べている。「アンドロゲン受容体陽性唾液腺がん患者に対する二次治療としてのCYP17阻害薬ザイティガ+プレドニゾン+黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH-RH)アゴニスト療法の忍容性は問題ありませんでした」と結論を述べている。