がん情報サイト「オンコロ」

進行性固形がん患者に対するSRF388±キイトルーダ併用療法、良好な忍容性と抗腫瘍効果を示す

この記事の3つのポイント
・進行性固形がん患者が対象の第1相試験
・SRF388±キイトルーダ有効性安全性を検証
・21%の患者で確認された治療関連有害事象はすべて低グレードであり、
 良好な抗腫瘍効果を示した

6月3日~7日、米国イリノイ州シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO 2022)にて進行性固形がん患者に対するSRF388単剤療法、SRF388+抗PD-1抗体薬であるキイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ、以下キイトルーダ)併用療法の有効性、安全性を検証した第1相試験(NCT04374877)の結果がThe University of Texas MD Anderson Cancer CenterのAung Naing氏らにより公表された。

本試験は、進行性固形がん患者に対して4週を1サイクルとしてSRF388単剤療法を実施する群、または4週を1サイクルとしてSRF388+3週を1サイクルとしてキイトルーダ併用療法を実施する群に分けて、主要評価項目として用量制限毒性DLT)、奏効率(RR)などを検証した第1相試験である。

本試験に登録され、SRF388単剤療法を受けた29人の患者の年齢中央値は64歳、性別は女性が62%、ECOG Performanceはスコア1が72%であった。前治療歴は4レジメン以上が48%であり、前治療歴として80%の患者で抗PD-1/PD-L1抗体薬歴であった。以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。

治療関連有害事象(TRAE)発症率は21%の患者で確認され、すべて低グレードであった。10%以上の患者で確認された治療関連有害事象(TRAE)は倦怠感(N=3人)であり、用量制限毒性(DLT)とグレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)は確認されなかった。

治療開始8週時点で1人の非小細胞肺がん(NSCLC)患者で部分奏効(PR)が確認され、その奏効持続期間は20週であった。また、治療開始8週時点で9人(31%)の患者が病勢安定SD)を示し、そのうち6人の患者で病勢コントロール期間(DCR)は6ヶ月であった。7人の淡明細胞型腎細胞がん(ccRCC)のうち、43%(N=3人)で20週以上の持続的抗腫瘍効果が確認された。

以上の第1相試験の結果よりAung Naing氏らは「進行性固形がん患者に対するSRF388単剤療法は忍容性があり、良好な抗腫瘍効果を示しました」と結論を述べている。

First-in-human study of SRF388, a first-in-class IL-27 targeting antibody, as monotherapy and in combination with pembrolizumab in patients with advanced solid tumors.(2022 ASCO Annual Meeting, Abstract No:2501)

×
モバイルバージョンを終了