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2015年4月11日、東京・御茶ノ水のワテラス・コモンホールで「がん哲学外来の核心」と題したシンポジウムが開催された。
がん哲学外来とは、病院で行う治療ではなく、がんを抱えた人やその家族が気軽に話をできる場のことである。
従来、医師は治療で手一杯になり、患者や家族が深く相談できる相手がいないケースが多かった。そこで同様にがんを抱えた人や乗り越えた人が交流できる場を作るため、順天堂大学 医学部 病理・腫瘍学教授の樋野興夫氏を理事長として一般社団法人「がん哲学外来」が発足した。
基調講演では福井県済生会病院の外科主任部長、集学的がん診療センター長の宗本義則氏と、国立病院機構の名古屋医療センター緩和ケア科医長の竹川茂氏がそれぞれ登壇した。
宗本氏によると今後一層進むであろう日本全体の高齢化により医療の主眼が変化し、これまでは病気を「治す、救う」ことに主眼があったが、今後は「癒やす、抱えて生きる、支える、看取る」といった部分にシフトしていくだろうとのこと。そして住宅を中心として地域のさまざまな立場の人々、機関が協力する、いわゆる地域包括ケアシステムが重要になると述べた。
また宗本氏は、がん哲学外来は従来のがん相談やカウンセリングとは異なると語る。がんを宣告された人は落ち込み、周囲の人々との関係もよそよそしくなってしま う場合がある。これに対してがん哲学外来は、設立者の樋野氏の言葉を引用しながら「笑顔を取り戻し、人生を生き切る事を支援する場」「患者への慰めと同情 ではなく、がんと闘う患者自身の力を引き出す場」だとした。
最後に、今後は病院のスタッフだけでなく、地域や関連企業といった広い分野の社会資源を活用していくことが重要だとした。その上で、「がん哲学外来を核にチーム医療を進化させていく必要がある」と結んだ。
日経デジタルヘルス参照 続きはこちらから
■担当者コメント■
このがん哲学外来ではがんで悩む方たちの交流の場として発足したとのことです。また「笑顔を取り戻し、人生を生き切る事を支援する場」「患者への慰めと同情 ではなく、がんと闘う患者自身の力を引き出す場」として存在しています。オンコロでもこのような交流の場が提供できるサイトにしていきたいと思います。