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進行性固形がん患者に対するPegilodecakin+オプジーボまたはキイトルーダの併用、忍容性に問題なし

この記事の3つのポイント
・進行性固形がん患者を対象とした第1b相試験
・Pegilodecakin+オプジーボまたはキイトルーダ併用療法の有効性安全性を検証
忍容性は良好であり、抗腫瘍効果も期待できた

2019年9月25日、医学誌『The Lancet Onoclogy』にて進行性固形がん患者に対するペグ化されたIL-10であるPegilodecakin+抗PD-1抗体薬であるニボルマブ(商品名オプジーボ)またはペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ)併用療法の有効性、安全性を検証した第1b相試験(NCT02009449)の結果がMD Anderson Cancer CenterのAung Naing氏らにより公表された。

本試験は、非小細胞肺がん、悪性黒色腫(メラノーマ)、腎細胞がんトリプルネガティブ乳がん、膀胱がんをはじめとした進行性固形がん患者に対してPegilodecakin+オプジーボ併用療法を投与する群(N=58人)、Pegilodecakin+キイトルーダ併用療法を投与する群(N=53人)に分け、主要評価項目として安全性、忍容性、副次評価項目として客観的奏効率ORR)などを検証した多施設共同オープンラベルの第1b相試験である。

ペグ化されたIL-10であるPegilodecakinは、これまでに複数のがん種に対して単独療法、化学療法免疫チェックポイント阻害剤との併用療法により臨床的ベネフィットを示している。こうした背景より、免疫チェックポイント阻害剤であるオプジーボ、キイトルーダとの併用療法を検証するために本試験は実施された。

本試験の追跡期間中央値26.9ヶ月時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である安全性は、全グレードの治療関連有害事象(TRAE)発症率は93%(N=103人)、グレード3または4の治療関連有害事象(TRAE)発症率は66%(N=73人)を示した。

また、最も多くの患者で確認された治療関連有害事象(TRAE)は貧血がオプジーボ併用群で23%、キイトルーダ併用群で28%、血小板減少性がオプジーボ併用群で26%、キイトルーダ併用群で21%、疲労がオプジーボ併用群で21%、キイトルーダ併用群で10%、高血糖がオプジーボ併用群で6%、キイトルーダ併用群で14%であった。また、副次評価項目である客観的奏効率(ORR)は非小細胞肺がん群(N=28人)で43%、悪性黒色腫群(N=31人)で10%、腎細胞がん群(N=35人)で40%を示した。

以上の第1b相試験の結果よりAung Naing氏らは以下の結論を述べている。”進行性固形がん患者に対するペグ化されたIL-10であるPegilodecakin+抗PD-1抗体薬オプジーボまたはキイトルーダ併用療法は忍容性が良好であり、抗腫瘍効果も期待できる結果でした。”

Pegilodecakin combined with pembrolizumab or nivolumab for patients with advanced solid tumours (IVY): a multicentre, multicohort, open-label, phase 1b trial(Lancet Oncol. 2019 Sep 25. pii: S1470-2045(19)30514-5. doi: 10.1016/S1470-2045(19)30514-5.)

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