・標準治療の適応がない皮膚の局所進行性扁平上皮がん患者が対象の第2相試験
・セミプリマブ単剤療法の有効性・安全性を検証
・主要評価項目である客観的奏効率は44%と、良好な抗腫瘍効果を示した
2020年1月14日、医学誌『The Lancet Oncology』にて標準治療の適応がない皮膚の局所進行性扁平上皮がん患者に対するセミプリマブ単剤療法の有効性、安全性を検証した第2相試験(NCT02760498)の結果がUniversity of Texas MD Anderson Cancer CenterのMichael R Migden氏らにより公表された。
本試験は、標準治療の適応がない皮膚の局所進行性扁平上皮がん患者(N=78人)に対して2週を1サイクルとしてセミプリマブ3mg/kg単剤療法を最大96週間投与し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)を検証したオープンラベルシングルアームの第2相試験である。
本試験が実施された背景として、皮膚の転移性扁平上皮がん患者に対するセミプリマブ単剤療法は良好な抗腫瘍効果を示すことが他の臨床試験にて明らかになっている。以上の背景より、標準治療では予後不良な皮膚の局所進行性扁平上皮がんに対するセミプリマブの有用性が本試験で確認された。
本試験のフォローアップ期間中央値9.3ヶ月時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は44%(95%信頼区間:32%‐55%)、その奏効の内訳は完全奏効率(CR)13%、部分奏効率(PR)31%を示した。
一方の安全性として、グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)は44%(N=34/78人)の患者で確認され、最も多くの患者で確認されたグレード2以上の治療関連有害事象(TRAE)は高血圧8%、肺炎5%であった。また、重篤な治療関連有害事象(SAE)は29%の患者で確認され、1人の患者が誤嚥性肺炎により死亡した。
以上の第2相試験の結果より、Michael R Migden氏らは以下のように結論を述べている。”標準治療の適応がない皮膚の局所進行性扁平上皮がん患者に対するセミプリマブ単剤療法は、良好な抗腫瘍効果を示し、忍容性も問題ありませんでした。”