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未治療の進行/転移性腎細胞がんに対するオプジーボ+カボメティクス併用療法、無増悪生存期間、全生存期間、客観的奏効率を有意に改善

この記事の3つのポイント
・未治療の進行または転移性腎細胞がん患者が対象の第3相試験
オプジーボ+カボメティクス併用療法有効性安全性を比較検証
無増悪生存期間はオプジーボ+カボメティクス16.6ヶ月でありスーテントに対し統計学的有意に改善

2020年9月19日~2020年9月21日、バーチャルミーティングにて開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO Virtual Congress 2020)にて未治療の進行または転移性腎細胞がん患者に対するファーストライン治療として抗PD-1抗体薬であるオプジーボ(一般名:ニボルマブ、以下オプジーボ)+チロシンキナーゼ阻害薬であるカボメティクス(一般名:カボザンチニブ、以下カボメティクス)併用療法の有効性、安全性を比較検証した3相のCheckMate-9ER試験(NCT03141177)の結果がDana-Farber Cancer InstituteのToni Choueiri氏らにより公表された。

CheckMate-9ER試験とは、未治療の進行または転移性腎細胞がん患者(N=651人)に対するファーストライン治療として2週を1サイクルとしてオプジーボ240mg+1日1回カボメティクス40mg併用療法を投与する群(N=323人)、または6週を1サイクルとして1日1回スニチニブ50mg(商品名スーテント;以下スーテント)単剤療法を4週間投与し、2週間休薬する群(N=328人)に無作為に1対1の割合で振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として全生存期間OS)、客観的奏効率ORR)を比較検証した第3相試験である。

本試験が開始された背景として、抗PD-1抗体薬オプジーボ、チロシンキナーゼ阻害薬カボメティクスはそれぞれ腎細胞がんの単剤療法として有用性が確認されている。以上の背景より、抗PD-1抗体薬、チロシンキナーゼ阻害薬の相乗効果を確認する目的で本試験が開始された。

本試験のフォローアップ期間中央値18.1ヶ月時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値はオプジーボ+カボメティクス併用群16.6ヶ月に対してスーテント単剤群8.3ヶ月、オプジーボ+カボメティクス併用群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを49%(HR:0.51、95%信頼区間:0.41-0.64、P

副次評価項目である全生存期間(OS)中央値はオプジーボ+カボメティクス併用群未到達に対してスーテント単剤群未到達、オプジーボ+カボメティクス併用群で死亡(OS)のリスクを40%(HR:0.60、98.89%信頼区間:0.40-0.89、P=0.0010)統計学的有意に改善した。

客観的奏効率(ORR)はオプジーボ+カボメティクス併用群55.7%に対してスーテント単剤群27.1%、オプジーボ+カボメティクス併用群で統計学的有意に改善した(P

一方の安全性として、全グレードの治療関連有害事象(TRAE)発症率はオプジーボ+カボメティクス併用群96.6%に対してスーテント単剤群93.1%、グレード3の治療関連有害事象(TRAE)発症率はオプジーボ+カボメティクス併用群60.6%に対してスーテント単剤群50.9%を示した。

以上のCheckMate-9ER試験の結果よりToni Choueiri氏らは「未治療の進行または転移性腎細胞がん患者に対するファーストライン治療として抗PD-1抗体薬オプジーボ+チロシンキナーゼ阻害薬カボメティクスは、無増悪生存期間(PFS) 、全生存期間(OS)、客観的奏効率(ORR)を統計学的有意に改善し、安全性プロファイルも既存の臨床試験で確認されている内容と一致しており、忍容性も問題ありませんでした」と結論を述べている。

Nivolumab + cabozantinib vs sunitinib in first-line treatment for advanced renal cell carcinoma: First results from the randomized phase III CheckMate 9ER trial(ESMO Virtual Congress 2020,Abstract No: 696O_PR)

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