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治療歴のある進行性子宮頸がんに対するカムレリズマブ+アパチニブ併用療法、客観的奏効率55.6%を示す

この記事の3つのポイント
・治療歴のある進行性子宮頸がん患者が対象の第2相試験
・カムレリズマブ+アパチニブ併用療法有効性安全性を比較検証
・客観的奏効率は55.6%、無増悪生存期間中央値は8.8ヵ月だった

2020年10月14日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて治療歴のある進行性子宮頸がん患者に対する抗PD-1抗体薬であるカムレリズマブ+VEGFR-2選択的阻害薬であるアパチニブ併用療法の有効性、安全性を検証した第2相試験(NCT03816553)の結果がSun Yat-sen University Cancer CentreのChunyan Lan氏らにより公表された。

本試験は、少なくとも1レジメン以上の全身療法治療歴のある進行性子宮頸がん患者に対して2週を1サイクルとしてカムレリズマブ200mg+1日1回アパチニブ250mg併用療法を投与し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)、重要な評価項目として無増悪生存期間(PFS)、全生存期間OS)などを検証した多施設共同非盲検下第2相試験である。

ファーストライン治療後に病勢進行した進行性子宮頸がん患者に対してはベバシズマブパクリタキセル、トポテカン、ドセタキセル等の治療方法が臨床で評価されているが、客観的奏効率(ORR)をはじめ抗腫瘍効果は限定的である。以上の背景より、治療歴のある進行性子宮頸がんの標準治療としての抗PD-1抗体薬カムレリズマブ+VEGFR-2選択的阻害薬アパチニブの有用性を検証する目的で本試験が開始された。

本試験に登録された45人の患者の年齢中央値は51.0歳(33―67歳)。前治療歴2レジメン以上は57.8%。ベバシズマブの前治療歴は22.2%。以上の背景を有する患者に対するフォローアップ期間中央値11.3ヵ月時点における結果は下記の通りである。

主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は55.6%(95%信頼区間:40.0%―70.4%)、奏効の内訳は完全奏効(CR)2人、部分奏効(PR)23人。副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値は8.8ヵ月(95%信頼区間:5.6ヵ月―未到達)。奏効持続期間(DOR)中央値、全生存期間(OS)中央値はそれぞれ未到達であった。

一方の安全性として、グレード3~4の治療関連有害事象(TRAE)発症率は71.1%、最も多くの患者で確認された治療関連有害事象(TRAE)は高血圧24.4%、貧血20.0%、疲労15.6%。また、最も多くの患者で確認された全グレードの免疫関連有害事象(irTRAE)は甲状腺機能低下症22.2%、反応性皮膚毛細血管内皮増殖8.9%であった。

以上の第2相試験の結果よりChunyan Lan氏らは「治療歴のある進行性子宮頸がん患者に対する抗PD-1抗体薬カムレリズマブ+VEGFR-2選択的阻害薬アパチニブ併用療法は、臨床で期待のできる抗腫瘍効果を示し、発症した有害事象(AE)も管理可能な内容でした。今後より大きなランダム化比較試験が必要です」と結論を述べている。

Camrelizumab Plus Apatinib in Patients With Advanced Cervical Cancer (CLAP): A Multicenter, Open-Label, Single-Arm, Phase II Trial(J Clin Oncol. 2020 Oct 14;JCO2001920. doi: 10.1200/JCO.20.01920.)

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