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HER2陽性の進行性胃/胃食道接合部がんに対するファーストラインとしてのキイトルーダ+ハーセプチン+化学療法、客観的奏効率76.7%を示す

この記事の3つのポイント
HER2陽性の進行性胃/胃食道接合部がん患者が対象の第1b/2相試験
キイトルーダ+ハーセプチン+化学療法有効性安全性を検証
・客観的奏効率76.7%を示し、16.3%は完全奏功を認めた

2021年1月15日~17日、オンラインミーティングで開催された2021 Gastrointestinal Cancers Symposium(ASCO GI 2021)にてHER2陽性の進行性胃/胃食道接合部がん患者に対するファーストライン治療としての抗PD-1抗体薬であるペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ;以下キイトルーダ)+抗HER2抗体薬であるトラスツズマブ(商品名ハーセプチン;以下ハーセプチン)+化学療法の有効性、安全性を比較検証した第1b/2相のPANTHERA試験(NCT02901301)の結果がYonsei UniversityのSunYoung Rha氏らにより公表された。

PANTHERA試験とは、HER2陽性の進行性胃/胃食道接合部がん患者に対するファーストライン治療として3週を1サイクルとして1日目にキイトルーダ200mg+1日目にハーセプチン6mg/kg(2サイクル目以降は8mg/kg)+1~14日目に1日2回カペシタビン1000mg/m2+1日目にシスプラチン80mg/m2併用療法を投与し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)、副次評価項目として病勢コントロール率DCR)、無増悪生存期間PFS) 、全生存期間OS)、安全性などを検証した多施設共同の第1b/2相試験である。

本試験に登録された患者(N=43人)のフォローアップ期間中央値18.2ヶ月時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は76.7%(95%信頼区間:61.4-88.2%)を示し、その内訳は完全奏効率(CR)16.3%、部分奏効率(PR)60.5%を示した。また、50%以上の腫瘍縮小を示した患者は56.6%(N=26/43)であった。

副次評価項目である病勢コントロール率(DCR)は97.7%(95%信頼区間:87.7~99.9%)、無増悪生存期間(PFS) 中央値8.6ヶ月(95%信頼区間:7.2~16.4ヶ月)、6ヶ月無増悪生存率(PFS)79.1% (95%信頼区間:64.0~90.0%)、全生存期間(OS)中央値19.3ヶ月(95%信頼区間:16.5ヶ月~未到達)、奏効持続期間(DOR)中央値10.8ヶ月(95%信頼区間:7.2~21.8ヶ月)をそれぞれ示した。

一方、安全性として免疫関連の有害事象を理由にペムブロリズマブを中止した患者はいなかった。

以上のPANTHERA試験の結果よりSunYoung Rha氏らは「HER2陽性の進行性胃/胃食道接合部がん患者に対するファーストライン治療としての抗PD-1抗体薬キイトルーダ+抗HER2抗体薬ハーセプチン+化学療法のトリプレットレジメンは、臨床的で期待のできる抗腫瘍効果を示しました」と結論を述べている。

A multi-institutional phase Ib/II trial of first-line triplet regimen (Pembrolizumab, Trastuzumab, Chemotherapy) for HER2-positive advanced gastric and gastroesophageal junction cancer (PANTHERA Trial): Molecular profiling and clinical update.(2021 ASCO Gastrointestinal Cancers Symposium,Abstract No:218)

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