3月23日、シンバイオ製薬株式会社は、トレアキシン点滴静注(一般名:ベンダムスチン塩酸塩、以下トレアキシン)について、再発/難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)対する以下2つの併用療法の適応承認を取得したと発表した。
- リツキシマブとの併用療法(BR療法)
- リツキシマブとポラツズマブ ベドチンとの併用療法
トレアキシンは、殺細胞性の抗腫瘍薬であり、低悪性度非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病(CLL)などに対し、世界50ヵ国以上で使用されている。
今回のBR療法の承認は第3相試験の結果に基づくもの。同試験では、再発または難治性DLBCLを対象とし、主要評価項目の奏効率において期待奏効率を上回る良好な結果が得られた。
また、リツキシマブとポラツズマブ ベドチンとの併用療法の承認は、ポラツズマブ ベドチンとBR療法を併用した際の有効性および安全性をBR療法と比較検討した海外第1b/2相多施設共同臨床試験(GO29365試験)や国内第2相多施設共同単群臨床試験(JO40762/P-DRIVE試験)等の結果に基づいている。(参照:中外製薬株式会社 ポライビー、再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対し承認を取得)
なお、今回承認を取得したのはトレアキシンの「凍結乾燥注射剤」であり、シンバイオは3月25日にトレアキシン点滴静注液剤「RTD製剤(溶解不要で希釈するのみの製剤)」について、再発または難治性DLBCLに対する一部変更承認申請を行っている。
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)とは
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)は、大型で悪性のB細胞性リンパ球がリンパ節やあらゆる臓器で増殖し、悪性腫瘍を形成する疾患。悪性リンパ腫の30~40%を占め発症頻度が最も高い。発症年齢のピークは60~70歳である。化学療法による治療効果は限られており、再発/難治性の症例での予後は極めて不良であり、現在は救援化学療法として多剤併用化学療法が使われているが、副作用が強いことから、安全で有効な新しい治療薬の登場が期待されている。
救援化学療法とは
造血器腫瘍において治療効果が得られない場合(治療抵抗性)、あるいは再発/再燃した症例に治療救援化学療法を行う。進行期DLBCLにおける再発時の救援化学療法(二次治療)は、6~7種類ほどの多剤併用化学療法が選択される。例としては、シクロホスファミド、シタラビン、デキサメタゾン、エトポシドにリツキシマブの5種類を組み合わせたCHASE(R)療法やメチルプレドニゾロン、エトポシド、シタラビン、シスプラチン、リツキシマブの5種類を組み合わせたESHAP(R)療法などである。
参照元:
シンバイオ製薬株式会社 ニュースリリース(再発又は難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫を対象としたトレアキシンとリツキシマブ併用療法に関する承認取得のお知らせ)
シンバイオ製薬株式会社 ニュースリリース(再発又は難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫を対象としたトレアキシン、リツキシマブとポラツズマブ ベドチンとの併用療法に関する承認取得のお知らせ)
シンバイオ製薬株式会社 ニュースリリース(再発又は難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫を対象としたトレアキシン液剤「RTD製剤」とリツキシマブ併用療法に関する承認申請のお知らせせ)
シンバイオ製薬株式会社 ニュースリリース(再発又は難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫を対象としたトレアキシン液剤「RTD製剤」とリツキシマブ、ポラツズマブ ベドチン併用療法に関する承認申請のお知らせ)