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進行性卵巣がんに対するチロシンキナーゼ阻害薬シトラバチニブ+チスレリズマブ併用療法、客観的奏効率26.4%を示す

この記事の3つのポイント
・進行性固形がん患者が対象の第1b相試験の卵巣がんのコホート
・シトラバチニブ+チスレリズマブ併用療法有効性安全性を検証
・客観的奏効率26.4%、病勢コントロール率77.4%を示した

2021年4月9日~14日、オンラインミーティングで開催された米国癌研究会(AACR 2021)にて、進行性固形がん患者に対するチロシンキナーゼ阻害薬であるシトラバチニブ+抗PD-1抗体薬であるチスレリズマブ併用療法の有効性、安全性を第1b相のBGB-900-103試験(NCT03666143)における卵巣がんコホートの結果がIcon Cancer CentreのJeffrey Goh氏らにより公表された。

BGB-900-103試験とは、進行性固形がん患者に対して1日1回シトラバチニブ120mg+3週を1サイクルとしてチスレリズマブ200mg併用療法を投与し、主要評価項目として安全性、重要な副次評価項目として客観的奏効率(ORR)、病勢コントロール率(DCR)、無増悪生存期間PFS)、全生存期間OS)を検証した第1b相試験である。

本試験が開始された背景として、TAM受容体(Tyro3/Axl/MerTK)、VEGFR2を標的とするチロシンキナーゼ阻害薬であるシトラバチニブは、骨髄由来抑制細胞(MDSC)、制御性T細胞の数を減少させることでM1 / M2極性化マクロファージの比率を高める。また、抗PD-1抗体であるチスレリズマブは進行性固形腫瘍の患者に対して単剤療法で抗腫瘍効果が確認されている。以上の背景より、進行性固形がん患者に対するチロシンキナーゼ阻害薬シトラバチニブ+抗PD-1抗体薬チスレリズマブ併用療法の有用性を検証する目的で本試験が開始された。

本試験に登録された卵巣がんコホート60人の患者背景は下記の通りである。年齢中央値は64歳(26~80歳)。前治療歴中央値は4レジメン(1~11レジメン)。以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。

グレードの治療関連有害事象(TRAE)発症率は97%、グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)発症率は68%を示し50%の患者がシトラバチニブを減量した。最も多くの患者で確認されたグレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)は吐き気33%、高血圧18%、腹痛12%を示した。

副次評価項目である客観的奏効率(ORR)は26.4%(95%信頼区間:15.3-40.3%)、病勢コントロール率(DCR)は77.4%(95%信頼区間:63.8-87.7%)を示した。奏効持続期間(DOR)中央値は4.7ヶ月(95%信頼区間:2.8ヶ月-未到達)、無増悪生存期間(PFS)中央値は4.1ヶ月(95%信頼区間:4.0-5.1ヶ月)、全生存期間(OS)中央値は12.9ヶ月(95%信頼区間:6.3-17.2ヶ月)を示した。

以上のBGB-900-103試験における卵巣がんコホートの結果よりJeffrey Goh氏らは「進行性卵巣がん患者に対するチロシンキナーゼ阻害薬シトラバチニブ+抗PD-1抗体薬チスレリズマブ併用療法の忍容性は問題なく、抗腫瘍効果も良好でした。さらなる研究が望まれます」と結論を述べている。

Safety/tolerability and preliminary antitumor activity of sitravatinib plus tislelizumab in patients with advanced platinum-resistant ovarian cancer (PROC)(AACR Annual Meeting2021,Abstract CT013)

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