・高リスク骨髄異形成症候群患者が対象の第3相試験
・ファーストライン治療としてのPevonedistat(ペボネディスタット)+アザシチジン併用療法の有効性・安全性を比較検証
・無イベント生存期間はアザシチジン単剤療法群として比較して、統計学的有意な差は確認されなかった
2021年9月2日、武田薬品工業のプレスリリースにて高リスク骨髄異形成症候群(MDS)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、低芽球性の急性骨髄性白血病(AML)患者に対するファーストライン治療としてのNEDD8活性化酵素(NAE)阻害薬であるPevonedistat(ペボネディスタット)+アザシチジンの併用療法とアザシチジン単剤療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のPANTHER試験の主要評価項目の結果が公表された。
PANTHER試験は、高リスク骨髄異形成症候群(MDS)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、低芽球性の急性骨髄性白血病(AML)患者に対してPevonedistat+アザシチジンの併用療法を実施する群、またはアザシチジン単剤療法を実施する群に無作為に振り分け、主要評価項目として無イベント生存期間(EFS:死亡またはAMLへの移行のいずれか早い方までの期間として定義)を比較検証した第3相試験である。
本試験の結果、主要評価項目である無イベント生存期間(EFS)はPevonedistat+アザシチジンの併用療法群、アザシチジン単剤療法群で統計学的有意な差は確認されなかった。
以上のPANTHER試験の主要評価項目の結果より、オンコロジー疾患領域ユニットヘッドであるChris Arendt氏は「今回の結果は遺憾ではありますが、我々は得られた全データへの理解を深めるよう努め、本試験から得られた知見を十分な治療を受けることができない患者さんのために、治療選択肢の可能性に対する研究開発の指針となる情報を提供する予定です。この試験にご参加いただいた患者さんとそのご家族、支援団体や治験責任医師の皆さんに感謝申し上げます。皆さんのご協力なしでは、この意義深い試験は実施できませんでした」と述べている。
なお、全データの結果は今後医学学会に発表の申請を行う予定としている。