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新規急性骨髄性白血病に対するアザシチジン+ベネクレクスタ+Magrolimab併用療法、複合的完全寛解率94%を示す

この記事の3つのポイント
・新規急性骨髄性白血病/再発難治性急性骨髄性白血病患者が対象の第1/2相試験
・アザシチジン+ベネクレクスタ+Magrolimab併用療法有効性安全性を比較検証
・新規急性骨髄性白血病における複合的完全寛解(CR+CRi)率は94%を示し、
 トリプレット療法の有効性が示唆された

2021年12月11日~13日、第63回米国血液学会(ASH2021)にて新規急性骨髄性白血病(AML)/再発難治性急性骨髄性白血病(RRAML)患者に対するアザシチジン+BCL-2阻害薬であるベネクレクスタ(一般名:ベネトクラクス、以下ベネクレクスタ)+抗CD47モノクローナル抗体であるMagrolimab(マグロリマブ)併用療法の有効性、安全性を検証した第1/2相試験(NCT04435691)の結果がMD Anderson Cancer CenterのNaval Daver氏らにより公表された。

本試験は、新規急性骨髄性白血病(AML)/再発難治性急性骨髄性白血病(RRAML)患者に対して1~7日目にアザシチジン75mg/m2と1~28日目にベネクレクスタ400mg、1サイクル目は1、4、5、11、15、22日目にMagrolimab(2サイクル目は1週に1回、3サイクル目以降は2週に1回)の併用療法を実施し、主要評価項目として安全性、最大耐用量(MTD)、副次評価項目として客観的奏効率ORR)、奏効持続期間(DOR)、全生存期間OS)等を検証した第1/2相試験である。

なお、1サイクル目のMagrolimabの投与量は、1、4日目に1mg/kg 、8日目に15mg/kg、11日以降に30mg/kgとした。

本試験が開始された背景として、急性骨髄性白血病(AML)患者に対するファーストライン治療としてのアザシチジン+ベネクレクスタ併用療法の奏効率(RR)は65~70%程度であるが、大半の患者は再発し、3年全生存率(OS)は35~40%ほどである。抗CD47モノクローナル抗体であるMagrolimabは、アザシチジンとの併用療法によりTP53遺伝子野生型急性骨髄性白血病(AML)に対して客観的奏効率(ORR)63%、全生存期間(OS)中央値18.9ヵ月、TP53遺伝子変異型急性骨髄性白血病(AML)に対しては客観的奏効率(ORR)69%、全生存期間(OS)中央値12.9ヵ月を示している。以上の背景より、本併用療法にBCL-2阻害薬ベネクレクスタを加えたトリプレット療法の有用性を検証する目的で本試験が開始された。

本試験に登録された38人の患者背景は下記の通りである。新規急性骨髄性白血病(AML)が17人、ベネクレクスタナイーブの再発難治性急性骨髄性白血病(RRAML)が8人、ベネクレクスタ難治性の再発難治性急性骨髄性白血病(RRAML)が13人。年齢中央値は新規急性骨髄性白血病(AML)で70歳(33-84歳)、ELN adverse riskは82%(N=14人)、ECOG PSスコアが2以上は47%(N=8人)だった。

以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。副次評価項目である新規急性骨髄性白血病(AML)群における複合的完全寛解(CR=完全寛解+CRi=血液の回復は不十分だが骨髄では完全寛解)率は94%(N=15/16人)を示した。全ての患者は1サイクル目から奏効を示していた。

ベネクレクスタナイーブの再発難治性急性骨髄性白血病(RRAML)群における複合的完全寛解(CR/CRi)率は63%(N=5/8人)を示し、ベネクレクスタ難治性の再発難治性急性骨髄性白血病(RRAML)群における複合的完全寛解(CR/CRi)率は27%(N=3/13人)を示した。

一方の安全性として、最も多くの患者で確認された全グレードの非血液関連有害事象(AE)は低カリウム血症が58%、低リン酸血症が55%、高ビリルビン血症が53%、低ナトリウム血症が53%、洞性頻脈が47%だった。グレード3/4の非血液関連有害事象(AE)は、肺炎が32%、発熱性好中球減少症が32%、高ビリルビン血症が11%、ALT上昇が11%、皮膚感染症が11%であった。

以上の第1/2相試験の結果よりNaval Daver氏らは「新規急性骨髄性白血病(AML)患者に対するアザシチジン+BCL-2阻害薬ベネクレクスタ+抗CD47モノクローナル抗体Magrolimab併用療法は、複合的完全寛解(CR/CRi)率94%を示し、安全性も良好でした」と結論を述べている。

Phase I/II Study of Azacitidine (AZA) with Venetoclax (VEN) and Magrolimab (Magro) in Patients (pts) with Newly Diagnosed Older/Unfit or High-Risk Acute Myeloid Leukemia (AML) and Relapsed/Refractory (R/R) AML(ASH2021 Annual Meeting & Exposition Abstract#371)

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