・治療歴のあるKRAS G12C遺伝子変異を有する進行性固形がん患者が対象の第2相試験の大腸がんコホート
・ソトラシブ単剤療法の有効性・安全性を検証
・客観的奏効率は9.7%、全患者が部分奏功であったが、安全性は管理可能なものであった
2021年12月14日、医学誌『The Lancet Oncology』にて治療歴のあるKRAS G12C遺伝子変異を有する進行性固形がん患者に対するKRAS G12C遺伝子変異阻害薬であるソトラシブ単剤療法の有効性、安全性を検証した第2相のバスケット試験であるCodeBreaK 100(NCT03600883)の大腸がんコホートの結果がCity of Hope Comprehensive Cancer CenterのMarwan G Fakih氏らにより公表された。
CodeBreaK 100試験とは、KRAS G12C遺伝子変異を有する進行性固形がんの患者に対して1日1回ソトラシブ960mg単剤を投与し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)、安全性、副次評価項目として病勢コントロール率(DCR)、無増悪生存期間(PFS)などを検証した多施設共同オープンラベルの第2相試験である。
その中でKRAS G12C遺伝子変異を有する進行性大腸がん(N=62人)のコホートの結果、主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は9.7%(N=6/62人、95%信頼区間:3.6-19.9%)を示し、奏効を示した全ての患者は部分奏効(PR)であった。
一方の安全性として、グレード3の治療関連有害事象(TRAE)は10%(N=6人)の患者で確認され、最も多くの患者で確認されたグレード3の治療関連有害事象(TRAE)は下痢3%(N=2人)、グレード4の治療関連有害事象(TRAE)は2%(N=1人)の患者で確認され、その内容は血中クレアチンホスホキナーゼ増加であった。
以上のCodeBreaK 100試験の大腸がんコホートの結果よりMarwan G Fakih氏らは「治療歴のあるKRAS G12C遺伝子変異を有する進行性大腸がんに対するKRAS G12C遺伝子変異阻害薬ソトラシブ単剤療法は客観的奏効率(ORR)9.7%を示し、この結果は試験開始前に設定したベンチマークに届きませんでした。一方の安全性として、忍容性は良好であり、有害事象(AE)は管理可能な内容でした」と結論を述べている。