・FGF/FGFR遺伝子変異陽性進行性悪性腫瘍患者が対象の第1/2相試験
・ペミガチニブ単剤療法の有効性・安全性を検証
・第2相推奨用量は13.5mgに決定され、128人中12人の患者で部分奏功を認め、奏効持続期間は7.3ヶ月を示した
2022年2月14日、医学誌『Annals of Oncology』にてFGF/FGFR遺伝子変異を有する進行性悪性腫瘍患者に対する選択的線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)阻害薬であるペミガチニブ単剤療法、併用療法の有効性、安全性を検証した第1/2相のFIGHT-101試験(NCT02393248)の結果がThe University of Texas MD Anderson Cancer CenterのVivek Subbiah氏らにより公表された。
FIGHT-101試験は、FGF/FGFR遺伝子変異陽性進行性悪性腫瘍患者(N=128人)に対して1日1回ペミガチニブ1~20mg単剤を2週間投与後に1週間休薬する群(N=70人)、または1日1回ペミガチニブ1~20mg単剤療法を連続投与する群(N=58人)に分け、主要評価項目として用量制限毒性(DLT)などを検証した第1/2相試験である。
本試験の結果、主要評価項目である用量制限毒性(DLT)は確認されず、第2相試験推奨用量(RP2D)は1日1回ペミガチニブ13.5mgとして決定された。最も多くの患者で確認された全グレードの治療関連有害事象(TRAE)は高リン血症が75.0%(グレード3以上は2.3%)であった。最も多くの患者で確認されたグレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)は倦怠感で10.2%を示した。
一方の有効性として、12人の患者で部分奏効(PR)が確認され、12人のうち胆管がんが5人のほか、頭頸部がん、膵臓がん、胆嚢がん、子宮がん、尿路上皮がん、再発性毛様細胞性星状細胞腫、非小細胞肺がんがそれぞれ1人であった。奏効持続期間(DOR)中央値は7.3ヶ月(95%信頼区間:3.3-14.5ヶ月)を示した。
以上のFIGHT-101試験の結果よりVivek Subbiah氏らは以下のように結論を述べている。「FGF/FGFR遺伝子変異陽性進行性悪性腫瘍患者に対する選択的線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)阻害薬ペミガチニブ単剤療法は腫瘍をまたいで奏効が認められました。これらの結果により胆管がんおよび複数のがん腫における第2/3相試験を推進します」と結論を述べている。