・METエクソン14スキッピング変異陽性の非小細胞肺がん患者が対象の第2相試験
・savolitinib(サボリチニブ)単剤療法の有効性・安全性を検証
・全患者における全生存期間は12.5ヶ月、18ヶ月全生存率は42%、24ヶ月全生存率は31%を示した
3月30日~4月2日、チェコ/プラハで開催された欧州肺がん会議(European Lung Cancer Congress2022)にてMETエクソン14スキッピング変異を有する非小細胞肺がん患者に対する経口MET阻害薬であるsavolitinib(サボリチニブ)単剤療法の有効性、安全性を検証した第2相試験の結果がGeneva University HospitalのAlfredo Addeo氏らにより公表された。
本試験は、METエクソン14スキッピング変異を有する非小細胞肺がん患者(N=70人)に対してsavolitinib単剤療法を投与し、評価項目として全生存期間(OS)などを検証した第2相試験である。
本試験に登録された70人の患者の内訳は前治療ありが42人、なしが28人。がんの種類は肺肉腫様がん(PSC)が25人、その他の非小細胞肺がんが45人。以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。
本試験のフォローアップ期間中央値28.4ヶ月の結果、全患者群の全生存期間(OS)中央値は12.5ヶ月(95%信頼区間:10.5-21.4ヶ月)を示した。また、18ヶ月全生存率(OS)は42%、24ヶ月全生存率(OS)は31%を示した。
また、肺肉腫様がん(PSC)群における全生存期間(OS)中央値は10.6ヶ月(95%信頼区間:4.57-13.96ヶ月)を示した。また、18ヶ月全生存率(OS)は30%(95%信頼区間:13.4-48.4%)、24ヶ月全生存率(OS)は26%(95%信頼区間:10.5-43.9%)を示した。
その他の非小細胞肺がん群における全生存期間(OS)中央値は17.3ヶ月(95%信頼区間:10.61-23.62ヶ月)を示した。また、18ヶ月全生存率(OS)は49%(95%信頼区間:33.5-62.8%)、24ヶ月全生存率(OS)は34.7%(95%信頼区間:21.0-48.9%)を示した。
一方の安全性として、グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)発症率は46%を示し、最も多くの患者で確認されたグレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)はアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼが13%、アラニンアミノトランスフェラーゼが10%、末梢性浮腫が9%であった。
以上の第2相試験の結果よりAlfredo Addeo氏らは「METエクソン14スキッピング変異は非小細胞肺がん患者の約3~5%程度の患者で確認され、がんのドライバー遺伝子変異であるため、この遺伝子変異を標的にした薬は臨床的意義のある可能性があります。肺肉腫様がん(PSC)は予後が非常に不良であり、この疾患に対するMET阻害薬savolitinib単剤療法の有用性は期待できます」と結論を述べている。