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肺がんとは

肺がんは、空気の通り道である気管や気管支、ガス交換の場である肺胞の細胞が何らかの原因でがん化したものです。2014年のデータによると国内で約11万人の肺がん患者さんがおり、2016年のデータによると国内で約7万人が肺がんにより亡くなっています。

肺がんの詳細・症状について ▼

2022.08.24

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  • 肺がん

肺がんの患者さんへ 治療選択に関するインタビューのお願い

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【第4回 がんと栄養】大阪オンコロジーセミナー on the WEB 2020

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肺がんの疾患情報

肺がんとは

肺は呼吸をつかさどる臓器です。呼吸は口や鼻から吸った空気が気管から樹枝のように広がった気管支を通って肺胞という小さな袋に入り、そこで血液中の二酸化炭素と空気中の酸素を交換(ガス交換)することにより営まれています。

肺がんは、空気の通り道である気管や気管支、ガス交換の場である肺胞の細胞が何らかの原因でがん化したものです。

肺がんの主たる原因は喫煙で、中心型の扁平上皮がんと小細胞肺がんは喫煙と深く関係しています。しかし、末梢型の腺がん、大細胞がんは喫煙との関連が低く、非喫煙者でも発症します。肺がんの罹患率は40歳代後半から増え始め、高齢になるほど高くなります。肺がんは無症状のうちに進行し、ほかのがんよりも転移しやすいため、治りにくいがんの1つであるといわれています。
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肺がんの原因

肺がんの主たる原因は喫煙です。特に中心型の扁平上皮がんと小細胞肺がんは喫煙と深く関係しています。その他にもアスベストやラドンなどの化学物質、大気汚染や慢性閉塞性肺疾患のような常に肺などが炎症状態となる疾患も原因になり得ます。
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肺がんの症状

肺がんは早期ではほぼ無症状です。肺がんの多くは、咳(せき)、痰(たん)、血痰(けったん)、発熱、呼吸困難、胸痛といった呼吸器症状をきっかけに発見されます。ただし、これらは肺がんに特有な症状ではないため、他の呼吸器疾患との区別がつかないこともあります。咳や痰などの症状が長引く場合や、複数の症状がある場合は早めに医療機関を受診することをおすすめします。
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肺がんの種類

肺がんは、がん細胞の形や状態から、大きく「非小細胞肺がん」と「小細胞肺がん」に分けられ、非小細胞肺がんは「扁平上皮がん」と「非扁平上皮がん」に、非小細胞肺がんは「腺がん」と「大細胞がん」にわけられます。これを組織型別の分類といい、治療戦略が異なります。その他、発生部位別に「中心型(肺門型)」と「末梢型(肺野型)」にわけられ、扁平上皮がんと小細胞肺がんは中心型が多く、非扁平上皮がんは末梢型が多いです。
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肺がんのステージ(病期)

ステージ病期)は、がんの進行の程度を示す言葉で、肺がんでは、がんの大きさ、広がり、リンパ節やほかの臓器への転移の有無によって決められます。肺がんの治療方針は、組織型と病期でほぼ決まるため、病期の決定は重要です。
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肺がんの検診/検査

肺がんは、胸部X線、喀痰細胞診、胸部CTによる検査に加え、気管支鏡によりがんが疑われる場所から採取した組織や細胞を顕微鏡で観察し、確定診断します。肺がんと診断された後、ステージ(病期)を決定のために転移しやすい脳、肝臓、副腎、骨などを頭部MRI検査、腹部CT検査、腹部超音波検査、骨シンチグラフィ、PETなどで調べます。

その他、手術不可能な非扁平上皮非小細胞肺がんの場合、EGFR、ALK、ROS1、BRAFといった遺伝子変異の有無を調べ分子標的薬の適応を確認します。また、非小細胞肺がんではPD-L1発現を確認し、免疫チェックポイント阻害薬の適応を確認します。
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肺がんの検査/診断

肺がん検診や自覚症状によって撮影された胸部X線検査で肺がんの疑いがあるとされた場合、①質的画像診断(CT検査等)、②確定診断(病理診断)、③病期診断(ステージの決定)、④分子診断(遺伝子変異の有無)手順で診断を行います。

肺がん検診や自覚症状によって撮影された胸部X線検査で肺がんの疑いがあるとされた場合、CT検査を行います。肺病変は悪性(いわゆる‘’がん‘’)か良性かにて、その後の治療が大きく異なりますが、CT検査にて検出される肺病変の大きさが3㎝を超えるか否かにて、悪性か良性を見極める手順が異なります。これを質的画像診断といいます。
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肺がんの治療法

肺がんの治療法について

肺がんを治すために行われる治療には、手術、放射線療法、薬物療法 (化学療法)の3つがあります。手術、放射線療法が肺がんそのもの(病巣局所)に的を絞って行われる局所療法であるのに対して、薬物療法は肺がん(病巣)がいくつかある、あるいは肉眼的に限局しているようでも全身にがん細胞が散らばっている可能性がある場合に行われる全身療法であるという点で異なります。
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肺がんの手術療法

非手術は根治を目的に、がんが限られた範囲にとどまり、全身状態が手術に耐えられ、術後の呼吸機能が保たれる場合に実施されます。がん病巣の部分だけでなく、病巣のある肺葉や周囲のリンパ節なども一緒に取り除くのが一般的です。手術によって体内のがんをすべて切除し取り除く(根治)ことが可能ですが、術後に肺炎、肺塞栓、膿胸、気管支瘻ろう、声のかすれ、無気肺などの合併症を生じることもあります。
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肺がんの化学療法

非小細胞肺がんの薬物療法には、殺細胞性抗がん剤を用いた化学療法と、分子標的薬を用いた分子標的治療があります。がんの再発・転移を防ぐために、手術や放射線療法と組み合わせて、あるいは単独で行われます。非小細胞肺がんの薬物療法には、抗がん剤によってがんの増殖を抑え、がん細胞を破壊する化学療法と、がん細胞だけが持つ生存・増殖に関与する物質を標的にした分子標的治療があります。
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肺がんの放射線療法

放射線療法では根治をめざすほか、症状緩和、転移や再発の予防などを目的に単独あるいは化学療法との併用で、直線加速器(リニアック)から発生する高エネルギーX線を何度も繰り返し照射する治療が行われます。放射線は、分裂中の細胞のDNAを損傷し、分裂・増殖を阻止します。この性質を利用し、分裂スピードの速いがん細胞を破壊するのが放射線療法です。
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肺がんのゲノム(遺伝子)医療

2000年ごろまで、肺がんの薬物療法は、小細胞肺がんと非小細胞肺がんの大きく2つに分けられているだけでした。肺がんの約90%を占める非小細胞肺がんの患者さんに薬物療法が必要になったときには、一般的な抗がん剤による一律の治療が行われていました。ところが、2002年に、特定の分子(タンパクや遺伝子)をターゲットにした分子標的薬が保険適用になり、その後、その薬がEGFR遺伝子変異のある人に効果があるとわかったため、肺がんの薬物療法は大きく変わりました。
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肺がんのEGFR遺伝子変異とは

非扁平上皮がんに最も多いドライバー遺伝子はEGFR遺伝子です。EGFRは、細胞の成長や増殖に関わる上皮成長因子受容体と呼ばれるタンパクです。その遺伝子に変異が起こると、上皮成長因子受容体にATP(アデノシン3リン酸)という分子が結合してリン酸化し、増殖のスイッチが入り続けた状態になります。EGFR阻害薬は、EGFRがATPと結合するのを阻止してがんの増殖を抑える分子標的薬です。
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肺がんのALK遺伝子変異とは

ALK融合遺伝子は、2番染色体にあるALK遺伝子と、その近くにあるEML4遺伝子が逆方向にくっついてできた異常な遺伝子です。この遺伝子からできるALK融合タンパクがATPと結合すると、細胞増殖を促すスイッチがオンになった状態になり、がん細胞が限りなく増殖し続けます。ALK阻害薬は、ALK 融合遺伝子とATPが結びつくのを阻害してがんの増殖を抑える薬です。
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肺がんのROS1遺伝子変異とは

ROS1融合遺伝子は、細胞の増殖などに関わるROS1遺伝子が他の遺伝子と融合して生じた異常な遺伝子です。やはり、ATPと結合すると細胞増殖のスイッチが入りっぱなしになり、がん細胞が増殖し続けます。ROS1阻害薬は、ATPとROS1融合遺伝子の結合を阻止してがんの増殖を抑えます。
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肺がんのBRAF遺伝子変異とは

BRAF遺伝子変異は、細胞増殖の指令の伝達に関わるBRAF遺伝子の異常です。BRAFの600番目のアミノ酸はバリエ(V)と呼ばれる必須アミノ酸ですが、これが変異によってグルタミン酸(E)に変わると、増殖しろという命令が出し続けられ、がんが無秩序に増殖し続けます。BRAF遺伝子はこのV600E変異によるがんの増殖を抑える薬です。
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肺がんのPD-L1検査とは

私たちのからだには、ウイルスや細菌などの異物が入ってきたときに、免疫細胞T細胞が活性化し、異物を攻撃 、排除して、からだを守る免疫機能が備わっています。一方で、免疫機能が過剰に働いて自分のからだを攻撃し過ぎないように、免疫チェックポイントで攻撃するかどうか判断し、T細胞の働きにブレーキをかける仕組みももっています。近年、がん細胞がこの仕組みを巧みに利用して、免疫細胞の攻撃をまぬがれていることがわかってきました。
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肺がんの再発・転移

再発とは、目に見えるがんがなくなった後に再びがんが出現することや、がんが縮小、あるいは安定した状態から増大することです。転移とは、がんが最初に発生した肺とは別の臓器に移動し、そこで増えることをいいます。手術などで肺がんの病巣が完全に消失しても、本当に体内からがん細胞がすべて消え去ったかどうかはわかりません。
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