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多発性骨髄腫の新薬カイプロリス(カルフィルゾミブ)の治験を受ける前に知っておきたい7つのこと

目次

多発性骨髄腫の新薬カイプロリス(カルフィルゾミブ)について

多発性骨髄腫はがんの一種で、日本国内における総患者数は約18,000 人と報告されている。

過去10年、多発性骨髄腫はサレド、レブラミド、ベルケイドなどの新薬の発売により予後の改善が見られようになってきたが、これら新規薬剤をもってしても未だに治癒するまでには至ってない。

特に、”再発難治性”と言われる病態における多発性骨髄腫の予後は悪い。

このことから、多発性骨髄腫に対する新たな治療薬の開発が期待されていたが、2016年8月31日に多発性骨髄腫の新薬カイプロリスが発売となった。

カイプロリスは、レブラミドとの併用や、ベルケイドの代用としての治療法が期待され、国内に先駆けて発売された海外では既にその治療効果の高さが証明されている。

海外に続いて国内においても、カイプロリスが再発難治性多発性骨髄腫の救世主となることに期待したい。

カイプロリス(カルフィルゾミブ)の薬剤概要

製品名

カイプロリス点滴静注

一般名

カルフィルゾミブ(carfilzomib)

用法用量

レナリドミド及びデキサメタゾンとの併用において、通常、成人には1日1回、本剤を1、2、8、9、15及び16日目に点滴静注し、12日間休薬する。この28日間を1サイクルとし、12サイクルまで投与を繰り返す。13サイクル以降は、1日1回、1、2、15及び16日目に本剤を点滴静注し、12日間休薬する。本剤の投与量はカルフィルゾミブとして、1サイクル目の1及び2日目のみ20mg/m2(体表面積)、それ以降は27mg/m2(体表面積)とし、10分かけて点滴静注する。なお、患者の状態により適宜減量する。

効能効果

再発又は難治性の多発性骨髄腫

主な副作用

血小板減少、リンパ球減少、高血糖、ALT(GPT)増加、発疹、便秘、筋痙縮、低リン酸血症、白血球増加、AST(GOT)増加、好中球減少、好中球増加、発熱、末梢性ニューロパチー、血中ビリルビン増加、白血球減少、高カリウム血症、低カリウム血症悪心、高血圧、下痢、肺炎、上気道の炎症、味覚異常、紅斑、血中コレステロール増加、ヘモグロビン減少及び低ナトリウム血症

製造承認日

2016年7月4日

薬価

カイプロリス点滴静注用 10 mg バイアル:24,426 円
カイプロリス点滴静注用 40 mg バイアル:87,852 円

カイプロリス(カルフィルゾミブ)の作用機序

カイプロリスは、20Sプロテアソームのキモトリプシン様活性を有するβ5サブユニットに不可逆的に結合し、ユビキンチ化タンパク質の分解を担うプロテアソームの活性を阻害する。

カイプロリス(カルフィルゾミブ)の最新文献

1)Carfilzomib, Lenalidomide, and Dexamethasone for Relapsed Multiple Myeloma

文献の概要

再発難治性多発性骨髄腫患者に対してレブラミド+デキサメタゾン+カイプロリス併用療法、またはレブラミド+デキサメタゾン+プラセボ併用療法を投与しPFS(無増悪生存期間)を比較検証した試験。結果、レブラミド+デキサメタゾン+カイプロリス併用療法群が有意にPFS(無増悪生存期間)を延長した。

文献の出典

The New England Journal of Medicine

文献の発刊日

2015年4月30日

2)Carfilzomib and dexamethasone versus bortezomib and dexamethasone for patients with relapsed or refractory multiple myeloma (ENDEAVOR): a randomised, phase 3, open-label, multicentre study

文献の概要

再発難治性多発性骨髄腫患者に対してカイプロリス+デキサメタゾン併用療法、またはベルケイド+デキサメタゾン併用療法を投与しPFS(無増悪生存期間)を比較検証した試験。結果、カイプロリス+デキサメタゾン併用療法群が有意にPFS(無増悪生存期間)を延長した。

文献の出典

The Lancet Oncology

文献の発刊日

2015年12月5日

3)Carfilzomib containing combinations as frontline therapy for multiple myeloma: a meta analysis of 13 trials.

文献の概要

新規多発性骨髄腫患者の一次治療としてレブラミド+デキサメタゾン+カイプロリス併用療法が投与された13の臨床試験を対象とした奏効率メタアナリシス。その結果、レブラミド+デキサメタゾン+カイプロリス併用療法は完全奏功20%以上を含む全奏効率94%と高い有効性を示すことが判った。

文献の出典

European Journal of Haematology

文献の発刊日

2017年3月12日

カイプロリス(カルフィルゾミブ)の口コミ

医師のコメント

その他医療関係者のコメント

カイプロリス(カルフィルゾミブ)の治験情報

1)Phase 3 Study of Carfilzomib, Melphalan, Prednisone vs Bortezomib, Melphalan, Prednisone in Newly Diagnosed Multiple Myeloma (CLARION) (CLARION)

治験の概要

移植非適応の新規多発性骨髄腫患者に対して、カイプロリス+メルファラン+プレドニゾロン併用療法群、またはベルケイド+メルファラン+プレドニゾロン併用療法群を投与する群とに分けてPFS(無増悪生存期間)を検証する治験

治験の期限

2016年7月 ※この治験は既に終了しています

参考資料

1)小野薬品工業株式会社プレスリリース
2)造血器腫瘍診療ガイドライン


造血器腫瘍診療ガイドライン

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