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再発性難治性B細胞非ホジキンリンパ腫に対する抗体薬物複合体ADCT-402(Loncastuximab Tesirine)、完全奏効率(CR)35.3%を達成

2017年12月9日から12日までアメリカ合衆国ジョージア州アトランタで開催された米国血液学会議(ASH2017)にて再発性難治性B細胞非ホジキンリンパ腫患者に対する新規ピロロベンゾジアゼピン含有抗体薬物複合体であるADCT-402(Loncastuximab Tesirine)の忍容性安全性薬物動態、そして有効性を検証した第I相試験の中間結果がセントルイス・ワシントン大学メディカルスクール腫瘍内科のブラッド・カール氏らにより公表された。

本試験は、臨床的意義のある何らかの既存療法の治療歴がある、もしくはその治療療法に不耐症である再発性難治性B細胞非ホジキンリンパ腫患者(N=138人)に対してパート1(用量漸増)ではADCT-402(Loncastuximab Tesirine)15-200µg/kgを投与する群(N=88人)、パート2(用量拡大)では120 µg/kgまたは150 µg/kgを投与する群(N=50人)に分けて、評価項目として有害事象(AE)発症率、全奏効率ORR)などを検証したオープンラベル用量漸増の第I相試験である。

本試験に登録された患者背景は、年齢中央値65.5歳(24-85)、前治療歴中央値3レジメン(1-10)、B細胞非ホジキンリンパ腫患者(N=138人)のうちびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者85人が含まれている。

上記背景の患者における本試験の結果、パート1(用量漸増)において120μg/kg以上の用量で治療を受けた患者(N=68人)の全奏効率(ORR)は60.3%(N=41人)を示し、その内訳としては完全奏効(CR)35.3%(N=24人)、部分奏効(PR)25.0%(N=17人)であった。また、パート1(用量漸増)において120μg/kg以上の用量で治療を受けたびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者(N=49人)の全奏効率(ORR)は55.1%(N=27人)を示し、その内訳としては完全奏効(CR)36.7%(N=18人)、部分奏効(PR)18.4%(N=9人)であった。

一方の安全性としては、パート1(用量漸増)およびパート2(用量拡大)の患者97.8%(N=135人)が治療関連有害事象(AE)を発症し、グレード3以上の有害事象(AE)を発症した患者は57.5%(N=46人)で確認された。また、20%以上の患者で発現した最も一般的な非血液学的毒性は下記の通りである。疲労43.8%(N=35人)、末梢浮腫26.3%(N=21人)、悪心25.0%(N=20人)、γ-グルタミルトランスフェラーゼ上昇8.8%(N=7人)、呼吸困難5.0%(N=4人)であった。

さらに、20%以上の患者で発現した最も一般的な血液学的毒性はヘモグロビン減少96.1%(N=74人)、好中球減少症60.9%(N=42人)、血小板減少症71.4%(N=55人)であった。

なお、有害事象(AE)のために治療継続が困難になった患者は10%(N=8人)存在し、その原因となった有害事象(AE)の内訳としてはγ-グルタミルトランスフェラーゼ上昇(N=4人)、血中アルカリホスファターゼ上昇(N=1人)、末梢浮腫(N=1人)、疲労(N=1人)、腹痛(N=1人)、血小板減少症(N=1人)であった。

以上の第I相試験の中間結果を受けて、ブラッド・カール氏は下記のように述べている。”びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者の多くは既存治療に対して不応性を示したり、再発しているため承認されている治療選択肢が残されていない場合があります。本試験のデータは成熟過程ですが、このような治療困難な患者に対してADCT-402(Loncastuximab Tesirine)が完全奏効率(CR)36.7%を含む全奏効率(ORR)55.1%を示したことに対して大変嬉しく思います。”

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