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根治切除後のステージIIIB/IIIC/IV悪性黒色腫(メラノーマ)患者に対する術後化学療法としての抗PD-1抗体薬オプジーボ単剤療法、抗CTLA-4抗体薬ヤーボイ単剤療法よりも無再発生存期間(RFS)を統計学的有意に延長する

この記事の3つのポイント
・CheckMate-238試験とは、根治切除後の再発リスクが高いステージIIIB/CまたはIV悪性黒色腫患者に対して術後化学療法としての抗PD-1抗体薬であるオプジーボ単剤療法と抗CTLA-4抗体薬であるヤーボイ単剤療法の有効性を比較検証した第III相試験である
・本試験の主要評価項目である無再発生存期間RFS)はヤーボイ群よりもオプジーボ群で統計学的有意に延長を示し、オプジーボ群で再発または死亡のリスクが34%統計学的有意に減少した
・本試験の探索的評価項目であるステージIII患者群における無遠隔転移生存期間DMFS)はヤーボイ群よりもオプジーボ群で統計学的有意に延長を示し、24ヶ月無遠隔転移生存率(DMFS)はオプジーボ群70.5%に対してヤーボイ群63.7%であった

2018年6月1日より5日までアメリカ合衆国・イリノイ州・シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO 2018)にて、根治切除後のステージIIIB/CまたはIV悪性黒色腫(メラノーマ)患者に対して術後化学療法としての抗PD-1抗体薬であるニボルマブ(商品名オプジーボ;以下オプジーボ)単剤療法と抗CTLA-4抗体薬であるイピリムマブ(商品名ヤーボイ;以下ヤーボイ)単剤療法の有効性を比較検証した第III相のCheckMate-238試験(NCT02388906)の結果がNew York University Perlmutter Cancer Center・Jeffrey S. Weber氏らにより公表された。

CheckMate-238試験とは、根治切除後の再発リスクが高いステージIIIB/CまたはIV悪性黒色腫患者(N=906人)に対して術後化学療法としての2週間に1回オプジーボ3mg/kg単剤療法を投与する群(N=453人)、または3週間に1回ヤーボイ10mg/kg単剤療法を投与する群(N=453人)に無作為に振り分け、主要評価項目として無再発生存期間(RFS)、探索的評価項目としてステージIII患者群における無遠隔転移生存期間(DMFS)を比較検証した第III相試験である。

本試験のフォローアップ期間中央値24ヶ月時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である無再発生存期間(RFS)はヤーボイ群よりもオプジーボ群で統計学的有意に延長を示し、オプジーボ群で再発または死亡のリスクが34%統計学的有意に減少した(ハザード比:0.66, P<0.0001)。

また、患者背景別の24ヶ月無再発生存率(RFS rate)はそれぞれ下記の通りである。ITT解析集団(オプジーボ群:N=453人,ヤーボイ群:N=453人)における24ヶ月無再発生存率(RFS rate)はオプジーボ群62.6%に対してヤーボイ群50.2%、ステージIIIB患者群(N=165人:N=148人)ではオプジーボ群70.8%に対してヤーボイ群60.7%、ステージIIIC患者群(N=203人:N=218人)ではオプジーボ群58.0%に対してヤーボイ群45.4%、ステージIV患者群(N=82人:N=87人)ではオプジーボ群58.0%に対してヤーボイ群44.3%。

PD-L1発現率5%以上の患者群(N=152人:N=154人)ではオプジーボ群75.5%に対してヤーボイ群58.4%、PD-L1発現率5%未満の患者群(N=275人:N=286人)ではオプジーボ群62.6%に対してヤーボイ群50.2%、BRAF遺伝子変異型患者群(N=187人:N=194人)ではオプジーボ群61.9%に対してヤーボイ群51.7%、BRAF遺伝子野生型患者群(N=197人:N=212人)ではオプジーボ群63.5%に対してヤーボイ群46.2%。以上のように、進行期、PD-L1発現率、BRAF遺伝子ステータスに関係なく無再発生存率(RFS rate)はオプジーボ群で高率であった。

探索的評価項目であるステージIII患者群における無遠隔転移生存期間(DMFS)はヤーボイ群よりもオプジーボ群で統計学的有意に延長を示し、24ヶ月無遠隔転移生存率(DMFS)はオプジーボ群70.5%に対してヤーボイ群63.7%(ハザード比:0.76, P=0.034)、オプジーボ群で無遠隔転移生存率(DMFS)を統計学的有意に改善した。

以上のCheckMate-238試験の結果がよりJeffrey S. Weber氏らは以下のように結論を述べている。”根治切除後の再発リスクが高いステージIIIB/CまたはIV悪性黒色腫患者に対する術後化学療法としてのオプジーボ単剤療法はヤーボイ単剤療法よりも無再発生存期間(RFS)を進行期、PD-L1発現率、BRAF遺伝子ステータスに関係なく統計学的有意に改善しました。”

Adjuvant therapy with nivolumab (NIVO) versus ipilimumab (IPI) after complete resection of stage III/IV melanoma: Updated results from a phase III trial (CheckMate 238).(ASCO 2018, Abstract No.9502)

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