・RELEVANCE試験とは、治療歴のない進行期濾胞性リンパ腫患者に対してレブラミド+リツキサン併用療法とリツキサン+化学療法の有効性を比較検証した第III相試験である
・本試験の主要評価項目である治療開始120週時点における完全寛解率(CR rate)または不確定完全寛解率(CRu rate)はレブラミド+リツキサン併用群48%に対してリツキサン+化学療法併用群53%、両群間に統計学的有意な差は確認されなかった
・本試験のもう1つの主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)もレブラミド+リツキサン併用群はリツキサン+化学療法併用群に対して臨床統計学的に未達、暫定解析結果では両群ほぼ同等の結果であった
2018年6月1日より5日までアメリカ合衆国・イリノイ州・シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO 2018)にて、治療歴のない進行期濾胞性リンパ腫患者に対する免疫調節薬(IMiDs)であるレナリドミド(商品名レブラミド;以下レブラミド)+抗CD20モノクローナル抗体薬であるリツキシマブ(商品名リツキサン;リツキサン)併用療法とリツキサン+化学療法の有効性を比較検証した第III相のRELEVANCE試験(NCT01650701)の結果がUniversity of Texas MD Anderson Cancer Center・Nathan Hale Fowler氏らにより公表された。
RELEVANCE試験とは、治療歴のない進行期濾胞性リンパ腫患者(N=1030人)に対してレブラミド+リツキサン併用療法を投与後にリツキサン維持療法を投与する群(N=513人)、またはリツキサン+化学療法を投与後にリツキサン維持療法を投与する群(N=517人)に無作為に振り分け、主要評価項目として治療開始120週時点における完全寛解率(CR rate)または不確定完全寛解率(CRu rate)、無増悪生存期間(PFS)を比較検証した第III相試験である。
なお、リツキサン+化学療法の内訳としてはR-CHOP併用療法(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾロン)が72%、R-B併用療法(ベンダムスチン)が23%、R-CVP併用療法(シクロホスファミド、ビンクリスチン、プレドニゾロン)が5%であった。
本試験のフォローアップ期間中央値37.9ヶ月時点における結果、主要評価項目である治療開始120週時点における完全寛解率(CR rate)または不確定完全寛解率(CRu rate)はレブラミド+リツキサン併用群48%に対してリツキサン+化学療法併用群53%、両群間に統計学的有意な差は確認されなかった(P=0.13)。
また、もう1つの主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)は暫定であり、レブラミド+リツキサン併用群はリツキサン+化学療法併用群に対してほぼ同等の結果である(ハザード比:1.10 ,95%信頼区間:0.85-1.43,P=0.48)。
なお、2年無増悪生存率(PFS rate)はレブラミド+リツキサン併用群84%に対してリツキサン+化学療法併用群87%、3年無増悪生存率(PFS rate)はレブラミド+リツキサン併用群77%に対してリツキサン+化学療法併用群78%である。
一方の安全性としては、レブラミド+リツキサン併用群とリツキサン+化学療法併用群のグレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)プロファイルは異なっており、その内訳は下記の通りである。発熱好中球減少症はレブラミド+リツキサン併用群2%に対してリツキサン+化学療法併用群6%、好中球減少症は34%に対して50%、皮膚障害は7%に対して1%、二次性悪性腫瘍は7%に対して9%であった。
以上のRELEVANCE試験の結果よりNathan Hale Fowler氏らは以下のように結論を述べている。”治療歴のない濾胞性リンパ腫患者に対するレブラミド+リツキサン併用はリツキサン+化学療法併用と同様の有効性が得られ、安全性プロファイルは異なることが本試験より示されました。”