未治療進行腎細胞がんにPD-L1阻害剤アベルマブとアキシチニブ併用療法が有効な可能性
JAVELIN Renal 101 フェーズ3 #LBA6
10月19日から23日までドイツ・ミュンヘンで開催されているESMO2018 で免疫チェックポイント阻害剤でPD-L1抗体のアベルマブと血管新生阻害剤のアキシチニブの併用療法が標準治療の1つであるスニチニブに比べて有効な臨床試験結果が発表された。
①PD-L1発現が認められたグループ560名がランダム化され、併用群に270名、標準治療群に290名が割り付けられた。
PD-L1発現が認められた患者は全体登録患者の約63%だった。
主要評価項目である独立委員会による無増悪生存期間では、併用群13.8ヶ月(暫定)、標準治療群7.2ヶ月となり、39%併用群で病勢進行または死亡リスクを減少させた。
独立委員会の判定による奏効率は併用群55%、標準治療群26%。
臨床試験参加医師による無増悪生存期間では、併用群13.3ヶ月(暫定)、標準治療群8.2ヶ月となり、49%併用群で病勢進行または死亡リスクを減少させた。
臨床試験参加医師の判定による奏効率は併用群62%、標準治療群30%。
②PD-L1発現が認められなかった患者も含む全体886名がランダム化され、併用群に442名、標準治療群に444名が割り付けられた。
独立委員会による無増悪生存期間では、併用群13.8ヶ月(暫定)、標準治療群8.4ヶ月となり、31%併用群で病勢進行または死亡リスクを減少させた。
独立委員会の判定による奏効率は併用群51%、標準治療群26% 。
臨床試験参加医師による無増悪生存期間では、併用群12.5ヶ月、標準治療群8.4ヶ月となり、36%併用群で病勢進行または死亡リスクを減少させた。
臨床試験参加医師の判定による奏効率は併用群56%、標準治療群30%。
なお、MSKCCリスク分類のいずれにおいても、併用群で良好な結果であった。
有害事象では全体で甲状腺機能低下症、アベルマブ抗体の注入反応が併用群で発現が多く見られたが、重篤なものは登録患者数から見ると少ない傾向であった。
発表されたMotzer医師は、未治療進行腎細胞がんにおいて新たな選択肢の1つになり得ると結論づけた。