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多発性骨髄腫患者に対するカイプロリス+レブラミド+デキサメタゾン併用療法とレブラミド単剤療法の忍容性・有効性を確認

この記事の3つのポイント
・新規多発性骨髄腫患者対象の第2相試験
・カイプロリス+レブラミド+デキサメタゾン併用療法の治療関連有害事象等を検証
導入療法としてKRd療法、維持療法としてR単剤療法忍容性有効性を確認

2018年11月21日、医学誌『JAMA Oncology』にて新規多発性骨髄腫患者に対する導入療法としてのプロテアソーム阻害薬であるカルフィルゾミブ(商品名カイプロリス;以下カイプロリス)+免疫調節薬(iMiDs)レナリドミド(商品名レブラミド;以下レブラミド)+デキサメタゾン併用療法、その後の維持療法としてのレブラミド単剤療法の有効性を検証した第2相試験(NCT01402284)の結果がCenter for Cancer ResearchのDickran Kazandjian氏らにより公表された。

本試験は、移植適応の有無に関係なく未治療の多発性骨髄腫患者(N=45人)に対して導入療法として28日を1サイクルとして1、2、8、9、15、16日目にカイプロリス36mg/㎡(1サイクル目は1日、2日目に20mg/㎡)+1~21日目に1日1回レブラミド25mg+デキサメタゾン併用療法(KRd)を8サイクル投与後、1日1回レブラミド10mg単剤療法(R)を2年間投与し、主要評価項目として治療関連有害事象(TRAE)発症率、副次評価項目として客観的奏効率ORR)などを検証した第2相試験である。

本試験に登録された患者背景は以下の通りである。

年齢中央値は61歳
・性別は男性60%(N=27人)
・フォローアップ期間中央値は5.2年(4.7-5.6年)

本試験の結果は以下の通りである。

■副次評価項目である客観的奏効率は98%(95%信頼区間: 88%-100%)、1人の患者を除いた患者で部分奏効以上の奏効率を示した。なお、62%(N=28人,95%信頼区間:47%-76%)の患者で微小残存病変陰性を達成している。

■導入療法8サイクル投与時点までに微小残存病変陰性を達成した患者は、達成しなかった患者に比べて無病生存のリスクを78%減少(HR:0.22,95%信頼区間:0.07-0.69,P=0.005)した。

■その他評価項目である奏効持続期間中央値は65.7ヶ月(95%信頼区間:55.6ヶ月-未到達)、無増悪生存期間中央値は67.3ヶ月(95%信頼区間:51.0ヶ月-未到達)、全生存期間中央値は未到達を示した。

安全性として、治療関連有害事象は既存の臨床試験で確認されている安全性プロファイルと一致しており、本試験で新たに確認されたものはなかった。プロテアソーム阻害薬特有の治療関連有害事象である末梢神経障害も、グレード3以上のものは確認されなかった。

以上の第2相試験の結果よりDickran Kazandjian氏らは以下のように結論を述べている。“未治療の多発性骨髄腫患者に対する導入療法としてのKRd療法、維持療法としてのR単剤療法の忍容性、有効性が本試験より確認されました。”

Remission and Progression-Free Survival in Patients With Newly Diagnosed Multiple Myeloma Treated With Carfilzomib, Lenalidomide, and DexamethasoneFive-Year Follow-up of a Phase 2 Clinical Trial(JAMA Oncol. 2018;4(12):1781-1783. doi:10.1001/jamaoncol.2018.5457)

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