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進行性子宮体がん患者に対するレンビマ+キイトルーダ併用療法、客観的奏効率39.6%を示す

この記事の3つのポイント
・進行性子宮体がん患者が対象の第2相試験
・レンビマ+キイトルーダ併用療法の有効性安全性を検証
・甲状腺機能低下症の発症率に課題も、進行性子宮体がんの標準治療になりうる可能性

2019年3月25日、医学誌『The Lancet Oncology』にて進行性子宮体がん患者に対するマルチキナーゼ阻害薬であるレンバチニブ(商品名レンビマ;以下レンビマ)+抗PD-1抗体薬であるペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ;以下キイトルーダ)併用療法の有効性、安全性を検証した第2相試験(NCT02501096)の結果がMemorial Sloan Kettering Cancer CenterのVicky Makker氏らにより公表された。

本試験は、進行性子宮体がん患者(N=53人)に対して1日1回レンビマ20mg+3週に1回キイトルーダ200mg併用療法を病勢進行または予期せぬ治療関連有害事象(TRAE)が発現するまで投与し、主要評価項目として24週時点における客観的奏効率ORR)、副次評価項目として奏効持続期間(DOR)、無増悪生存期間PFS)などを検証した多施設共同単アームの第2相試験である。

本試験が実施された背景として、タキサン系抗がん剤ベースの治療後に病勢進行した進行性子宮体がん患者に対する治療選択肢が限られているためである。他の臨床試験にて、治療歴のある進行性子宮体がん患者に対するレンビマ単剤療法の客観的奏効率(ORR)は14%、無増悪生存期間(PFS)中央値は5.4ヶ月(95%信頼区間:8.8-21.4ヶ月)と有効性を示している。また、キイトルーダは複数のがん種に対してその有用性が確認されている。以上の背景より、進行性子宮体がん患者に対するレンビマ+キイトルーダ併用療法の有効性が本試験により検証された。

本試験に登録された患者背景は下記の通りである。年齢中央値は64歳。人種は白人83%、黒人4%、その他13%。ECOG Performance Statusはスコア0が38%、スコア1が62%。がんの組織型は類内膜腺がん41%、漿液性腺がん38%、明細胞腺がん4%、その他17%。

前治療歴は1レジメンが43%、2レジメンが43%、3レジメン以上が13%。前治療歴の化学療法の種類はプラチナベースのタブレット療法98%、プラチナベースの単剤療法2%、タキサン系抗がん剤の単剤療法2%、ドキソルビシン23%、その他8%。その他の治療歴はホルモン療法11%、ベバシズマブ6%、放射線療法57%。

PD-L1ステータスは陽性25%、陰性21%、不明55%。マイクロサテライトステータスはマイクロサテライト不安定性が高い(MSI-H)8%、マイクロサテライト不安定性のない(MSS)85%、不明8%。

以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。主要評価項目である24週時点の客観的奏効率(ORR)は39.6%(95%信頼区間:26.5-54.0%)を示し、奏効の内訳としては完全奏効率(CR)1.9%、部分奏効率37.7%を示した。

また、副次評価項目である奏効持続期間(DOR)中央値は未到達(95%信頼区間:7.4ヶ月-未到達)。無増悪生存期間(PFS)中央値は7.4ヶ月(95%信頼区間:5.0ヶ月-未到達)を示した。

一方の安全性として、全グレードの治療関連有害事象(TRAE)発症率は94%、グレード3の治療関連有害事象(TRAE)発症率は68%、グレード4の治療関連有害事象(TRAE)は0%であった。なお、最も多くの患者で確認されたグレード1~2の治療関連有害事象(TRAE)は倦怠感49%、甲状腺機能低下症47%、下痢43%、食欲減退40%、吐き気38%、口内炎34%であった。

また、最も多くの患者で確認されたグレード3の治療関連有害事象(TRAE)は高血圧34%、下痢8%、倦怠感6%、手足症候群6%、低ナトリウム血症4%、急性腎障害4%、肺塞栓症4%、失神4%であった。

以上の第2相試験の結果よりVicky Makker氏らは以下のように結論を述べている。”進行性子宮体がん患者に対するレンビマ+キイトルーダ併用療法は、忍容性に問題なく、良好な安全性プロファイルを示しました。治療関連有害事象(TRAE)としての甲状腺機能低下症の発症率には課題があるものの、この点を除けば本治療が進行性子宮体がんの標準治療になりうる可能性が示唆されました。”

Lenvatinib plus pembrolizumab in patients with advanced endometrial cancer: an interim analysis of a multicentre, open-label, single-arm, phase 2 trial(The Lancet Oncology, Published:March 25, 2019)

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