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切除不能肝細胞がん患者に対するファーストライン治療としてのオプジーボ、ネクサバールに対して全生存期間の優越性は示せず

この記事の3つのポイント
・切除不能肝細胞がん患者が対象の第3相試験
ファーストライン治療としてのオプジーボ単剤療法の有効性安全性を検証
・ネクサバール単剤療法と比較して、全生存期間の優越性を示さなかった

2019年6月24日、ブリストル・マイヤーズ社プレスリリースにて、切除不能肝細胞がん患者に対するファーストライン治療としての抗PD-1抗体薬であるニボルマブ(商品名オプジーボ;以下オプジーボ)単剤療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のCheckMate-459試験(NCT02576509)の結果が公表された。

CheckMate-459試験とは、切除不能肝細胞がん患者に対するファーストライン治療としてオプジーボ単剤療法を投与する群、またはソラフェニブ(商品名ネクサバール;以下ネクサバール)単剤療法を投与する群に無作為に振り分け、主要評価項目として全生存期間(OS)、副次評価項目として無増悪生存期間PFS)、客観的奏効率ORR)などを比較検証した多施設共同の第3相試験である。

本試験の結果、オプジーボ単剤群は主要評価項目である全生存期間(OS)の優越性をネクサバール群に対して示さなかった(HR:0.85,95%信頼区間:0.72-1.02,p=0.0752)。なお、オプジーボ単剤群の安全性プロファイルは既存の臨床試験で確認されているものと一致しており、本試験で新たに確認された治療関連有害事象(TRAE)はなかった。

以上のCheckMate-459試験の結果より、Bruno Sangro氏は以下のようなコメントを述べている。”切除不能肝細胞がんにおける治療成績の向上は非常に困難であり、現在の標準治療であるネクサバール単剤療法が確立されて以降、10年間以上進歩がありません。CheckMate-459試験にて、オプジーボ単剤療法がネクサバール単剤療法に対して統計学的有意な差を示すことはできなかったものの、改善する傾向を示した結果は非常に勇気づけられます。”

参照元:ブリストル・マイヤーズ社プレスリリース

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