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未治療の進行/転移性性腎細胞がん患者に対するオプジーボ+ヤーボイ、中リスク/高リスク患者問わず長期間に渡り有用性を示す

この記事の3つのポイント
・未治療の進行/転移性腎細胞がん患者が対象の第3相試験
オプジーボ+ヤーボイ併用療法有効性安全性を検証
・長期フォローアップの結果、中リスク/高リスク患者問わず長期間に渡り有用性を示した

2019年8月16日、医学誌『The Lancet Onoclogy』にて未治療の進行/転移性性腎細胞がん患者に対する抗PD-1抗体薬であるニボルマブ(商品名オプジーボ;以下オプジーボ)+抗CTLA-4抗体薬であるイピリムマブ(商品名ヤーボイ;以下ヤーボイ)併用療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のCheckMate-214試験(NCT02231749)の長期フォローアップの結果がMemorial Sloan Kettering Cancer CenterのRobert J Motzer氏らにより公表された。

CheckMate-214試験とは、未治療の進行/転移性腎細胞がん患者に対して3週を1サイクルとしてオプジーボ3mg/kg+ヤーボイ1mg/kg併用療法を投与し、その後2週を1サイクルとしてオプジーボ3mg/kg単剤療法を投与する群(N=550人)、または1日1回スーテント50mgを4週間連日経口投与し、その後2週間休薬するサイクルを繰り返し投与する群(N=546人)に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として中リスク/高リスク患者群における全生存期間OS)、客観的奏効率ORR)、無増悪生存期間PFS)を比較検証したオープンラベル無作為化の第3相試験である。

本試験のフォローアップ期間中央値32.4ヶ月(13.4-36.3ヶ月)時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である中リスク/高リスク患者群における全生存期間(OS)中央値はオプジーボ+ヤーボイ群未到達(95%信頼区間:35.6ヶ月-未到達)に対してスーテント群26.6ヶ月(95%信頼区間:22.1-33.4ヶ月)、オプジーボ+ヤーボイ群で死亡(OS)のリスクを34%統計学的有意に減少(HR:0.66,95%信頼区間:0.54-0.80,P<0.0001)した。

中リスク/高リスク患者群における無増悪生存期間(PFS)中央値はオプジーボ+ヤーボイ群8.2ヶ月(95%信頼区間:6.9-10.0ヶ月)に対してスーテント群8.3ヶ月(95%信頼区間:7.0-8.8ヶ月)、オプジーボ+ヤーボイ群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを23%統計学的有意に減少(HR:0.77,95%信頼区間:0.65-0.90,P=0.0014)した。

中リスク/高リスク患者群における客観的奏効率(ORR)はオプジーボ+ヤーボイ群42%(N=178/425人)に対してスーテント群29%(N=124/422人)、オプジーボ+ヤーボイ群で客観的奏効率(ORR)は高率であった(P=0.0001)。

同様に、全患者群における全生存期間(OS)中央値はオプジーボ+ヤーボイ群未到達(95%信頼区間:未到達)に対してスーテント群37.9ヶ月(95%信頼区間:32.2ヶ月-未到達)、オプジーボ+ヤーボイ群で死亡(OS)のリスクを29%統計学的有意に減少(HR:0.71,95%信頼区間:0.59-0.86,P=0.0003)した。

全患者群における無増悪生存期間(PFS)中央値はオプジーボ+ヤーボイ群9.7ヶ月(95%信頼区間:8.1-11.1ヶ月)に対してスーテント群9.7ヶ月(95%信頼区間:8.3-11.1ヶ月)、オプジーボ+ヤーボイ群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを15%統計学的有意に減少(HR:0.85,95%信頼区間:0.73-0.98,P=0.027)した。

全患者群における客観的奏効率(ORR)はオプジーボ+ヤーボイ群41%(N=227/550人)に対してスーテント群34%(N=186/546人)、オプジーボ+ヤーボイ群で客観的奏効率(ORR)は高率であった(P=0.015)。

一方の安全性として、最も多くの患者で確認されたグレード3または4の治療関連有害事象(TRAE)はオプジーボ+ヤーボイ群でリパーゼ増加10%、アミラーゼ増加6%、ALT増加5%に対してスーテント群で高血圧17%、疲労10%、手足症候群9%。なお、治療関連有害事象(TRAE)を原因とした死亡がオプジーボ+ヤーボイ群で患者8人、スーテント群で患者4人が確認されている。

以上のCheckMate-214試験の長期フォローアップ結果よりRobert J Motzer氏らは以下のように結論を述べている。”未治療の進行/転移性性腎細胞がん患者に対する抗PD-1抗体薬オプジーボ+抗CTLA-4抗体薬ヤーボイ併用療法は、中リスク/高リスク患者問わず長期間に渡り有用性を示しました。”

Nivolumab plus ipilimumab versus sunitinib in first-line treatment for advanced renal cell carcinoma: extended follow-up of efficacy and safety results from a randomised, controlled, phase 3 trial(Lancet Oncol. 2019 Aug 16. pii: S1470-2045(19)30413-9. doi: 10.1016/S1470-2045(19)30413-9.)

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