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組織別に治療法が異なる肺がん
肺がんは、がん細胞の形や状態から、大きく「非小細胞肺がん」と「小細胞肺がん」に分けられ、非小細胞肺がんは「扁平上皮がん」と「非扁平上皮がん」に、非扁平上皮がんは「腺がん」と「大細胞がん」にわけられます。これを組織型別の分類といい、治療戦略が異なります(コチラ)。また、以下のように英語表記と略語を覚えておくと情報収集に活用できます。
小細胞肺がん(Small Cell Lung Cancer ; SCLC)
非小細胞肺がん(Non-Small Cell Lung Cancer ; NSCLC)
非扁平上皮非小細胞肺がん(Non-Squamous Non-Small Cell Lung Cancer ; Non-Sq NSCLC)
扁平上皮非小細胞肺がん(Squamous Non-Small Cell Lung Cancer ; Sq NSCLC)
さらに発生部位別に肺の入り口付近の太い気管支にできる「中心型(肺門型)」と肺の奥のほうにできる「末梢型(肺野型)」に分けられます。
肺がんの種類と特徴
肺がんの種類と特徴は、以下の通りです。
肺腺がん(非扁平上皮非小細胞肺がん①)
肺腺がんは、日本人に最も多い種類の肺がんとなり、男性の約40%、女性の約70%を占めます。また、非喫煙者や女性の肺がん多くは腺がんとなります。肺の末梢に発生し、進行は中程度といわれています。
肺腺がんのもう一つの特徴が、EGFR遺伝子やALK遺伝子といったドライバー遺伝子の変異(ドライバーミューテーション)が陽性であることです。ドライバー遺伝子の変異が、がんを発症の直接的な現認となり得る一方、これらの遺伝子変異が陽性の場合、それに対応している分子標的薬が奏効する可能性が高いです。
(詳しくは、非小細胞肺がんと遺伝子変異を参照)
肺大細胞がん(非扁平上皮非小細胞肺がん②)
大細胞がんは、他のがん細胞に比べて大きいものとなります。大細胞がんは、肺がんのうち数%程度と少ないです。肺の末梢に発生し、進行や転移その速度は比較的早いといわれています。
肺扁平上皮がん(扁平上皮非小細胞肺がん)
扁平上皮がんは、喫煙により発症することが多くいため中高年の男性に多い肺がんとなり、男性の約40%、女性の約15%を占めます。肺の中心部(気管支壁)に発生することが多く、進行は遅めといわれています。
小細胞肺がん
小細胞肺がんは、他のがん細胞と比べて小さいものとなります。喫煙により発症することが多いため中高年の男性に多い肺がんとなりますが、非小細胞肺がんに比べて割合が少なく10~15%程度です。進行、転移共に非常に速く、リンパ節、脳、肝臓、副腎、骨などに転移しやすい悪性度の高いがんです。小細胞肺がんであるか、非小細胞肺がんであるかで治療戦略は大きく異なります。
(小細胞肺がんの情報はコチラ)
専門医から学ぶ肺腺がん