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筋層非浸潤性膀胱がん 免疫チェックポイント阻害薬キイトルーダの第2相臨床試験

ポイント:この試験は、BCG療法不応となった筋層非浸潤性膀胱がん患者を対象として免疫チェックポイント阻害薬ペムブロリズマブ(キイトルーダ/キートルーダ)の効果と安全性を確認する第2相試験となります。

目次

<一般的な説明>

試験概要

この試験は、ハイリスクの筋層非浸潤性膀胱がん(おおよそステージ0~1)の方の内、BCG療法不応性かつ根治的膀胱全切除術が不適格(何らかの理由で手術できない)の方を対象として、ペムブロリズマブの効果と安全性を確認する臨床試験となります。

治験薬剤の説明

通常、細菌等の異物が体内に認められたときに免疫細胞が攻撃します。一方、がん細胞は免疫細胞から異物と認められないような機能を有しますが、その時にPD-1やCTLA-4というタンパク質がかかわっています。PD-1抗体ペムブロリズマブ等はその機能を無効にできると期待されており、その結果、がん細胞を異物であると認識することができるようになります。がん細胞を異物と認識できるようになると、免疫細胞ががん細胞を攻撃できるようになります。このタイプの薬剤を免疫チェックポイント阻害薬といいます。

主な参加条件等

この試験の対象となりうる方

  1. 18歳以上の方
  2. 膀胱がんと診断された方のうち、高リスク筋層非浸潤性移行上皮がん(TMN分類にて、T1、ハイグレードTa1又はCIS(上皮内がん))と診断されている方
  3. 少なくとも2回以上の膀胱検査又は経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)により切除可能な病変がない方
  4. 十分なBCG療法を実施して、BCGに対して不応になった方
  5. 根治的膀胱全摘出術が不適格と診断された方
  6. ECOGパフォーマンスステータスが0~2の方
  7. CT等にて腫瘍の大きさが計測可能な方

この試験の対象とならない方

  1. 筋層浸潤性(T2、T3、T4)の方、またはステージ4の方
  2. 膀胱以外の尿路上皮(尿道、尿管または腎盂)に移行上皮がんを併発している方
  3. 活動性の自己免疫疾患をお持ちの方
  4. PD-1抗体、PD-L1抗体、PD-L2抗体、CTLA-4抗体等を使用されている方

臨床試験公開情報

ClinicalTrials.gov Identifier : NCT02625961 (最終更新日2019/03/06)詳細はコチラ

治験概要

Study of Pembrolizumab (MK-3475) in Participants With High Risk Non-muscle Invasive Bladder Cancer (MK-3475-057/KEYNOTE-057)(ハイリスク筋層非浸潤性膀胱がんを対象としたペムブロエリズマブの臨床試験)

対象がん種 膀胱がん(筋層非浸潤性膀胱がん)
フェーズ P2
実施期間 2016年2月~2019年2月
実施国 日本、米国、フィンランド、カナダ、韓国、ロシア
目標症例 260
状況 募集中
手法 オープンラベル
一般名:ペムブロリズマブ(ペンブロリズマブ)、商品名:キイトルーダ(米国)
種類 抗PD-1抗体
投与経路 静脈内投与

<専門的な説明>

試験概要

In this study, participants with high risk non-muscle-invasive bladder cancer (NMIBC) unresponsive to Bacillus Calmette Guerin (BCG) therapy and who are considered ineligible for or have refused to undergo radical cystectomy, will receive pembrolizumab therapy. The primary study hypothesis is that treatment with pembrolizumab will result in a clinically meaningful response.(Clinidcaltrials.gov)

治験薬剤の説明

免疫チェックポイント阻害剤(抗PD-1抗体)であるペムブロリズマブは、抗腫瘍作用を有する活性リンパ球に主に発現するPD-1と、腫瘍細胞に主に発現するリガンド*2PD-L1およびPD-L2の相互作用を阻害するヒト化モノクローナル抗体です。ペムブロリズマブはPD-1受容体に結合して受容体リガンドとの相互作用を阻害することによって、抗腫瘍免疫応答を含むPD-1経路を介する免疫応答の阻害を解除します。(MSDニュースリリースより)

注意

・試験タイトルに英語記載がある場合、JAPIC等の日本語公開情報に掲載がないことを意味します。
・試験概要の「専門的な説明」は、JAPICやUMINに情報がある場合はそこから、ない場合はClinidcaltrials.govから転記しています。
・薬剤の「専門的な説明」は、開発企業に情報がある場合はそこから、ない場合はNCI(National Cancer Institute)から転記しています。
・専門的な記載を一般の方がわかるよう記載していますが、当社の認識が誤っていることがありますので、必ず実際の公開情報を確かめてください。
・実施医療機関は明記できませんが、実際の公開情報に明記されている場合があります。
・主な参加条件には記載された基準以外にも多くの基準があります。

臨床試験(治験)とは

・当サイトは積極的に日本で実施されている臨床試験情報(治験)を紹介していますが、臨床試験は効果や安全性を確認することが主たる目的となる場合が多く、確立されている治療法を示しているものではありません。参加を検討する際には、臨床試験のリスクとベネフィットをよく理解してください。宜しければ、「もっと知ってほしい薬の開発と臨床試験のこと」をご参照ください。
・その他、「臨床試験記載のルールについて」をご確認ください。

初回作成:可知 健太

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