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再発リスクの高い乳がん患者 術前化学療法→手術→放射線療法後のパルボシクリブの第3相試験(終了した可能性あり)

【ポイント】この試験は手術前に抗がん剤にて腫瘍を小さくしてから手術に臨んだが腫瘍が取りきれなかった方に対して、術後放射線治療ホルモン療法を実施し、更にパルボシクリブを使用した場合の治療効果を確認する目的で実施されています。

目次

<一般的な説明>

試験概要

以下の方に対して手術後に「パルボシクリブ」と「プラセボ(偽薬)」と比べて再発されるまでの期間を延長させるかどうかを検証する試験となります。
1.ホルモン受容体陽性、HER-2陰性早期の乳がんの方
2.タキサン系(タキソールなど)の術前補助化学療法(手術前に抗がん剤にて腫瘍を小さくする療法)を行った方
3.乳がん摘出手術を行ったが、腫瘍が残存してしまった方
4.術後放射線治療が完了している方
5.標準的な術後ホルモン療法を受けている方
なお、本試験は二重盲検試験であり、実際はパルボシクリブかプラセボ(偽薬)のどちらかを使用しているかはわからない状態で実施する試験となります。

治験薬剤の説明

パルボシクリブはサイクリン依存性キナーゼ阻害薬という新しいタイプの薬剤となります。がんは無秩序に細胞分裂し続ける病態ですが、細胞分裂を繰り返す際に関与する酵素(タンパク質の1種)がサイクリン依存性キナーゼとなります。この酵素を阻害する薬剤がサイクリン依存性キナーゼ阻害薬です。

パルボシクリブは進行性乳がんにおいて有効であることが確認されている薬剤でもあります。
乳がん 細胞分裂を制御する薬剤パルボシクリブが有効 がん進行抑制期間2倍に ASCO2015(オンコロニュース2015/6/1)

主な参加条件等

この試験の対象となりうる方

  1. 18歳以上の方
  2. 組織学的に浸潤原発性乳がん(通常の乳がん)と診断された方
  3. 術前化学療法後に乳房内またはリンパ節内にがんが残っていることが確認された方
  4. 術前化学療法の前に細胞組織を提出できる方
  5. Ki-67、pRB、サイクリンD1状態が確認された方(治験実施施設を介して確認)
  6. 術前化学療法後に再発が見られた方
  7. ホルモン受容体陽性、HER-2陰性が確認された方
  8. 16週間以上の術前補助化学療法を受けたことがある方。この期間にはタキサン(パクリタキセル等)を含む術前補助化学療法が6週間含まれていること(例外あり)。
  9. 最後の手術を受けてから16週以上、及び放射線療法から10週以上経過している方
  10. 補助的放射線療法を受けた方
  11. ECOGパフォーマンスステータスが0又は1の方

この試験の対象とならない方

  1. パルボシクリブに類似の薬剤及び内分泌療法に対して過剰反応を起こした方
  2. 臨床的に重要な心疾患をお持ちの方
  3. 自殺未遂歴のある方
  4. 割付前2週以内に外科的手術を受けた方
  5. 過去にCDK4/6阻害剤の投与を受けた方

臨床試験公開情報

JAPIC-CTI.No: – UMIN-CTR:UMIN000015779 (最終更新日2015/4/24)詳細はコチラ
ClinicalTrials.gov Identifier: NCT01864746(最終更新日2015/10/20)詳細はコチラ
一般社団法人JBCRG(Japan Breast Cancer Research Group)のwebサイトにも情報が掲載されています(コチラ

ネオアジュバント化学療法後の再発リスクが高いホルモン受容体陽性HER2陰性原発性乳癌患者を対象としたサイクリン依存性キナーゼ(CDK)4/6阻害薬palbociclib(PD-0332991)を評価する第III相試験 「PENELOPEB」

対象がん種 乳がん
フェーズ P3
実施期間 2015年6月~2020年11月
実施国 日本、アメリカ、オーストラリア、オーストリア、ブラジル、カナダ、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、韓国、スペイン、イギリス
目標症例 1100
状況 募集中
手法 ランダム化、二重盲検
被験薬名 PD-0332991(一般名: Palbociclib;パルボシクリブ、米国商品名: Ibrance)
種類 CDK4/6 経口阻害薬
投与経路 経口投与

<専門的な説明>

試験概要

侵襲性の残存乳がん(ホルモン陽性/HER2陰性)があり、術前化学療法後のCPS-EGスコアが高く、術後ホルモン療法を受けている被験者において、palbociclib併用とplacebo併用のinvasive disease free survival (iDFS)を比較する。

治験薬剤の説明

IBRANCE (一般名:Palbociclib)は、サイクリン依存型キナーゼ(CDK)4/6の経口阻害薬です。CDK4/6は、細胞周期の調節に主要な役割を果たしており、細胞増殖を引き起こします。 (ファイザー プレスリリースより: http://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2015/2015_06_08_02.html

注意

・試験タイトルに英語記載がある場合、JAPIC等に掲載がないことを意味します。
・試験概要の「専門的な説明」は、JAPICやUMINに情報がある場合はそこから、ない場合はClinidcaltrials.govから転記しています。
・薬剤の「専門的な説明」は、開発企業に情報がある場合はそこから、ない場合はNCI(National Cancer Institute)から転記しています。
・専門的な記載を一般の方がわかるよう記載していますが、当社の認識が誤っていることがありますので、必ず実際の公開情報を確かめてください。
・実施医療機関は明記できませんが、実際の公開情報に明記されている場合があります。
・主な参加条件には記載された基準以外にも多くの基準があります。

初回作成:川村 千恵(最終確認:可知 健太)

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