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悪性黒色腫(メラノーマ)の新薬エンコラフェニブの治験を受ける前に知っておきたい7つのこと

目次

悪性黒色腫(メラノーマ)の新薬エンコラフェニブについて

皮膚の癌である悪性黒色腫(メラノーマ)は皮膚の癌の中で最も悪性度が高い、つまり死の危険性が高い癌と考えられています。

悪性黒色腫(メラノーマ)を新規に発症する患者さんの数は1年間で1300~1400人と報告されており、この数は年々増加しております。

悪性黒色腫(メラノーマ)発症の一番の原因は紫外線であり、この影響を最も受けるのが白人です。国内における悪性黒色腫(メラノーマ)発症率が10万人あたり1人から2人程度であるのに対して、豪州では10万人あたり数十人の発症率の都市があることからも、悪性黒色腫(メラノーマ)を発症する人種は白人であることが分かります。

死の危険性が高い悪性黒色腫(メラノーマ)ですが、早期発見により手術が可能な場合には比較的予後が良好です。また、BRAF遺伝子変異と言われる遺伝子の異常が認められていない患者さんに対してはオプジーボ(ニボルマブ)などがん免疫治療の新薬が開発されたことで治療成績が向上しております。

問題はBRAF遺伝子変異のある悪性黒色腫(メラノーマ)です。悪性黒色腫(メラノーマ)を1年間で発症する1300~1400人の内、約30~40%の患者さんにはBRAF遺伝子変異の異常があることが判っております。

BRAF遺伝子変異のある悪性黒色腫(メラノーマ)の治療薬としては2015年に国内でも発売になりましたBRAF阻害剤ゼルボラフ(ベムラフェニブ)の登場により、その治療成績は向上しておりますが、さらなる治療成績飛躍の可能性が期待されています。なぜなら、BRAF阻害剤である

エンコラフェニブ

がBRAF阻害剤ゼルボラフ(ベムラフェニブ)単剤に対してPFSが有意に上回る結果が出たからです。さらなに、エンコラフェニブはMEK阻害剤であるビニメチニブと併用することでさらなる治療成績の向上が期待されています。

エンコラフェニブの薬剤概要

製品名

未定

一般名

エンコラフェニブ(encorafenib)

用法用量

未定(エンコラフェニブとして1回450mgもしくは300mgを1日1回経口投与する)

効能効果

未定(BRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫)

主な副作用

未定(脱毛、発疹、発熱、網膜色素上皮剥離)

製造承認日

未定

エンコラフェニブの作用機序

エンコラフェニブはBRAFキナーゼ活性を阻害することで抗腫瘍効果を発揮します。

エンコラフェニブの最新文献

1)Can binimetinib, encorafenib and masitinib be more efficacious than currently available mutation-based targeted therapies for melanoma treatment?

文献の概要

手術に適応のない悪性黒色腫(メラノーマ)の治療は近年、劇的に進歩しております。なぜなら、遺伝子変異別の治療方法が確立しているからです。BRAF、NRAS、C-KITなどの遺伝子変異を有する悪性黒色腫(メラノーマ)の患者さんに対してはMEK阻害剤であるビニメチニブ、BRAF阻害剤であるエンコラフェニブ、チロシンキナーゼ阻害薬であるマシチニブが新薬として期待されています。

文献の出典

Expert Opinion on Pharmacotherapy

文献の発刊日

2017年4月18日

エンコラフェニブの口コミ

医師のコメント

その他医療関係者のコメント

エンコラフェニブの治験情報

1)Study Comparing Combination of LGX818 Plus MEK162 Versus Vemurafenib and LGX818 Monotherapy in BRAF Mutant Melanoma (COLUMBUS)

治験の概要

手術の適応のないBRAFV600遺伝子変異のある悪性黒色腫(メラノーマ)患者に対して、エンコラフェニブ単剤療法、ベムラフェニブ単剤療法、エンコラフェニブとビニメチニブ併用療法を投与して、主要評価項目であるPFSを検証する治験

治験の期限

2016年9月

参考資料

1)アレイ・バイオファーマプレスリリース
2)小野薬品工業株式会社プレスリリース
3)科学的根拠に基づく皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン

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