EGFR T790M遺伝子変異
EGFR T790M遺伝子変異とは、2005年にハーバード大学の研究グループから報告された再発がん組織から従来の変異に加えて見出された獲得耐性遺伝子です。このことを二次変異ともいいます。
初回のEGFRチロシンキナーゼ阻害剤の治療後に再発した腫瘍組織を再生検することで見つけることができます。
T790M遺伝子変異はEGFR遺伝子の塩基配列のある部分がトレオニンからメチオニンに変異します。この変異はEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(イレッサ、タルセバ、ジオトリフ)の結合部位に生じるため、薬剤の結合性が低下し、下流シグナルが阻害されなくなり耐性化を起こします。この遺伝子変異はEGFR遺伝子変異患者の全体の約50% に検出されると言われています。
これまではT709M遺伝子をターゲットにした薬剤が無かったため、患者さんの予後は良くありませんでしたが2016年5月にT709Mに特化したオシメルチニブ(タグリッソ)が発売されました。
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