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日本初のサイクリン依存性キナーゼ4/6(CDK4/6)阻害薬イブランスが、進行乳がん適応で承認

9月27日、ファイザー株式会社は「手術不能又は再発乳癌」の効能・効果で、サイクリン依存性キナーゼ4/6(CDK4/6)阻害薬パルボシクリブ(商品名イブランス)の製造販売承認を取得したと発表した。

イブランスは、細胞周期に関与するサイクリン依存せーキナーゼ4と6の二種類の阻害する(下図)。CDK4/6阻害薬としては、イブランスが日本初の薬剤となる。

本承認は2つの国際共同第3相試験(PALOMA-2,NCT01740427、PALOMA-3,NCT01942135)の結果が寄与する。

PALOMA-2試験は、エストロゲン受容体陽性HER2陰性の閉経後進行乳がん患者666名を対象に、初回内分泌療法としてイブランスとレトロゾール(商品名フェマーラ)併用を検討した。プラセボとフェマーラ併用投与群と比較し、イブランスとフェマーラ併用投与群において有意な無増悪生存期間PFS)の延長が認められた(PFS中央値:イブランス/フェマーラ併用投与群24.8カ月vsプラセボ/フェマーラ併用投与群14.5カ月、HR:0.576、p<0.000001)

PALOMA-3試験は、内分泌療法を受け疾患進行を認めたホルモン受容体陽性HER2陰性進行乳がん患者(閉経の有無を問わない)521名を対象に、イブランスとフルベストラント(商品名フェソロデックス)併用を検討した。プラセボとフェソロデックス併用投与群と比較して、イブランスとフェソロデックス併用投与群において有意な無増悪生存期間(PFS)の延長が認められた(PFS中央値:イブランス/フェソロデックス併用投与群9.2カ月、プラセボ/フェソロデックス併用投与群で3.8カ月、HR:比0.422、p<0.000001)

故に、添付文書の用法は「内分泌療法剤との併用」とされ、実際はフェマーラやフェソロデックスと併用して使用することとなる。

なお、イブランスは、米国では2015年2月に迅速承認され、その後2017年3月に正式承認されており、2年半のドラックラグを経て日本でも承認された。しかしながら、中央社会保険医療協議会にて薬価収載されるまでは発売されることはなく、実臨床で使用できるようになるには11月頃まで待たなければならない。

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