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食事の影響なく1日1回の経口投与ができる世界唯一のALK阻害薬として非小細胞肺がんの新薬ALUNBRIGが米国FDAより承認

2017年10月3日、クリゾチニブ(商品名ザーコリ)抵抗性のALK(未分化リンパ腫リン酸化酵素)陽性非小細胞肺がんの新薬であるブリガチニブ(商品名ALUNBRIG)の医薬品承認事項変更申請(sNDA)がFDAより承認されたことを武田薬品工業株式会社が自社のプレスリリースで公表した。

今回承認された医薬品承認事項変更申請(sNDA)は、ALUNBRIG180mg製剤の用量追加である。本承認以前、ALUNBRIGの投与スケジュールは投与最初の7日間は90mgを1日1回、その後180mgを1日1回の投与に増量する投与方法であったが、ALUNBRIGとしては30mg、90mgタブレットの2剤形のみであった。

そのためALUNBRIG180mgを1日1回の投与スケジュールで治療を受ける患者さんは、本承認以前1日複数錠のタブレットを服用する必要があったが、今回の承認によりALUNBRIGは1日1回の経口投与で治療が継続できるようになった。

本承認の根拠となったのは、ザーコリ抵抗性のALK陽性局所進行性/転移性非小細胞肺がん患者(N=222人)に対してALUNBRIG90mgを1日1回投与で7日間、その後180mgを1日1回投与する増量群(N=110)、またはALUNBRIG90mgを1日1回投与で投与する群(N=112人)に分け、主要評価項目である独立した審査委員会(IRC)による客観的奏効率(ORR)を検証したオープラベル多施設共同第II相のALTA試験(NCT02094573)の結果に基づいている。

本試験の結果、主要評価項目である客観的奏効率(ORR)はALUNBRIG180mg群で53%(95%信頼区間43%-62%)、ALUNBRIG90mg群で48%(95%信頼区間39%-58%)であった。また、測定可能な脳転移のある患者に対する頭蓋内客観的奏効率(ORR)は180mg群で67%(95%信頼区間41%-87%)、90mg群で42%(95%信頼区間23%-63%)であった。

また、安全性はというと180mg群で40%、90mg群で38%の患者さんで有害事象が発症した。発症した重篤な有害事象として最も多かったのは肺炎、間質性肺炎であり、25%以上の患者さんで発症した最も一般的な有害事象としては悪心、下痢、疲労、咳、頭痛であった。致死的な有害事象は3.7%の患者で発症し、肺炎(N=2例)、突然死(N=1例)、呼吸困難(N=1例)、呼吸不全(N=1例)、肺寒栓症(N=1例)、細菌性髄膜炎(N=1例)、尿路性敗血症(N=1例)であった。

以上、ALUNBRIGの医薬品承認事項変更申請(sNDA)の承認を受け、武田薬品工業のオンコロジー臨床研究開発部門長であるJesus Gomez Navarro氏は以下のようなコメントを出している。”ALUNBRIGは当初、30mg製剤しか承認されていなかった。そのため、ALUNBRIGによる治療を受ける患者さんは1日3回もしくは6回の服用を余儀なくされていた。今回の承認によりALUNBRIGは食事の影響なく1日1回の経口投与可能な世界で唯一のALK阻害薬となった。”

なお、ALTA試験は現在も進行中であり、試験のアップデート解析結果については2017年10月15日から18日に神奈川県横浜市で開催される第18回世界肺癌学会(WCLC2017)で発表される予定であるのでその結果についても注目したい。

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