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治療歴のあるRAS野生型転移性大腸がんに対するアービタックス+キイトルーダ併用療法、忍容性は良好である

2018年1月18日より20日までアメリカ合衆国・カルフォルニア州・サンフランシスコで開催されている消化器癌シンポジウム(ASCO-GI2018)のポスターセッションにて、少なくとも1レジメン以上の治療歴のあるRAS野生型転移性大腸がん患者に対するセツキシマブ(商品名アービタックス;以下アービタックス)+ペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ;キイトルーダ)併用療法有効性を検証した第Ib/II相(NCT02713373)の結果がMemorial Sloan Kettering Cancer Center・Patrick McKay Boland氏らにより公表された。

本試験は、少なくとも抗EGFR治療薬以外の1レジメン以上の治療歴のあるRAS野生型転移性大腸がん患者(N=9人)に対して1週間に1回の投与間隔でアービタックス250mg/m2(初回のみ400mg/m2)+3週間に1回の投与間隔でキイトルーダ200mg 併用療法を投与し、主要評価項目として有害事象(AE)のプロファイル、客観的奏効率ORR)を検証したオープンラベルの第Ib/II相試験である。

なお、用量規定毒性DLT)は治療開始6週間に以内にグレード3以上の有害事象(AE)と定義されている。また、アービタックスの安全性プロファイルで一般的に確認されている皮膚障害、低マグネシウム血症に関してはグレード4以上を用量規定毒性(DLT)として定義している。

本試験の第Ib相フェーズの結果、アービタックス+キイトルーダ併用療法が投与された患者9人において 用量規定毒性(DLT)は確認されなかった。最も一般的に確認された有害事象(AE)は乾癬、角結膜炎、低マグネシウム血症、嘔吐、そして疲労であった。また、グレード3以上の有害事象(AE)は低マグネシウム血症3人、低カルシウム血症1人、皮膚障害1人、蕁麻疹1人、ALP(アルカリホスファターゼ)上昇1人、腹水1人であった。

一方の有効性としては、アービタックス+キイトルーダ併用療法が投与された患者9人のうち6の患者が16週間以上の安定SD)状態を維持している。

以上の第Ib/II相試験の結果より、Patrick McKay Boland氏らは以下のように述べている”アービタックス+キイトルーダ併用療法は忍容性が高い、標準用量で治療の継続が可能であることが本試験により示されました。用量規定毒性(DLT)を判定する期間に低マグネシウム血症の発症は確認されましたが、それ以外の有害事象(AE)は確認されていません。現在、33人の患者さんが追加登録された第II相フェーズが進行中ですので、その試験の主要評価項目である客観的奏効率(ORR)、無増悪生存期間PFS)の結果が出ることに期待しております。”

A phase Ib/II study of cetuximab and pembrolizumab in RAS-wt mCRC. (ASCO-GI2018, Abstract No.834)

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