2018年1月18日より20日までアメリカ合衆国・カルフォルニア州・サンフランシスコで開催されている消化器癌シンポジウム(ASCO-GI2018)のポスターセッションにて、治癒切除後のステージIII結腸がん日本人患者に対するオキサリプラチンベースの術後補助化学療法6カ月群、3カ月群の至適投与期間を比較検証した第III相のACHIEVE試験(UMIN000008543)の結果が大阪医療センター・加藤 大志氏らより公表された。
ACHIEVE試験とは、治癒切除後のステージIII結腸がん日本人患者(N=1313人)に対して術後化学療法として2週間に1回の投与間隔でFOLFOX療法または3週間に1回の投与間隔でXELOX療法を6ヶ月間投与する群、術後化学療法として2週間に1回の投与間隔でFOLFOX療法または3週間に1回の投与間隔でXELOX療法を3ヶ月間投与する群に1:1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として無病生存期間(DFS)、副次評価項目として治療成功期間 (TTP)、全生存期間(OS)などを比較検証した第III相試験である。
本試験の結果、主要評価項目である3年無病生存率(DFS)は3カ月群79.5%に対して6カ月群77.9%、3カ月群で無病生存(DFS)のリスクが5%(ハザード比=0.95,95%信頼区間:0.76-1.20)減少することを示した。また、3年無病生存率(DFS)は治療レジメン、リンパ節転移数(1-3個:低リスク,4個以上:ハイリスク)、年齢、性別などによる層別因子のサブグループ解析も実施しており、その結果は以下の通りである。
治療レジメン別では、FOLFOX投与群のハザード比1.07(95%信頼区間:0.71-1.60)、XELOX投与群のハザード比0.90(95%信頼区間:0.68-1.19)を示し、FOLFOX投与群は6カ月群で、XELOX投与群は3カ月群で良好な結果を示した。
リンパ節転移個数によるリスク分類別では低リスク群のハザード比0.81(95%信頼区間:0.53-1.24)、 高リスク群のハザード比1.07(95%信頼区間:0.81-1.40)を示し、低リスク群は3カ月群で、高リスク群は6カ月群で良好な結果を示した。
年齢別では70歳未満のハザード比0.91(95%信頼区間:0.69-1.20)、 70歳以上のハザード比1.07(95%信頼区間:0.70-1.61)を示し、70歳未満は3カ月群で、70歳以上は6カ月群で良好な結果を示した。
性別では男性のハザード比0.85(95%信頼区間:0.62-1.18)、女性のハザード比1.06(95%信頼区間:0.77-1.47)を示し、男性は3カ月群で、女性は6カ月群で良好な結果を示した。
以上のACHIEVE試験の結果より、加藤 大志氏らは以下のように結論を述べている。”ACHIEVE試験により、3年無病生存率(DFS)は3カ月群79.5%に対して6カ月群77.9%(ハザード比=0.95,95%信頼区間:0.76-1.20)であることが示されました。ACHIEVE試験は6試験をpooled解析したIDEA試験(NCT00958737)の一つになりますので、IDEA試験全体での更なる解析結果が待たれます。”