・PRODIGE 24/CCTG PA.6試験とは18歳以上の切除後3~12週後の非転移性膵管腺がん患者に対して術後療法としてゲムシタビン単剤療法とmFOLFIRINOX併用療法の有効性を比較検証した第III相試験である
・本試験の主要評価項目である無病生存期間(DFS)中央値はゲムシタビン群12.8ヶ月に対してmFOLFIRINOX群21.6ヶ月(ハザード比:0.49,95%信頼区間:0.47-0.74)であった
・本試験の副次評価項目である全生存期間(OS)中央値はゲムシタビン群34.8ヶ月に対してmFOLFIRINOX群54.4ヶ月(ハザード比:0.66,95%信頼区間:0.49-0.89)であった
2018年6月1日より5日までアメリカ合衆国・イリノイ州・シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO 2018)にて、術後3~12週後の非転移性膵管腺がん患者に対する術後療法としてのゲムシタビン単剤療法、mFOLFIRINOX併用療法の有効性を検証した第III相のPRODIGE 24/CCTG PA.6試験(NCT01526135)の結果がInstitut de Cancérologie de Lorraine・Thierry Conroy氏らにより公表された。
PRODIGE 24/CCTG PA.6試験とは、18歳以上のR0またはR1切除後3~12週後の非転移性膵管腺がん患者(N=493人)に対して術後療法として28日を1サイクルとして1日目、8日目、15日目にゲムシタビン1000mg/m²単剤療法を6サイクル投与する群、または14日を1サイクルとしてmFOLFIRINOX併用療法(オキサリプラチン85mg/m²+ロイコボリン400mg/m²+イリノテカン150mg/m²+5-FU2.4g/m²)を12サイクル投与する群に無作為に振り分け、主要評価項目として無病生存期間(DFS)、副次評価項目として全生存期間(OS)、無転移生存期間(MFS)、治療関連有害事象(TRAE)発症率などを比較検証した多施設共同非盲検下の第III相試験である。
本試験のフォローアップ期間中央値30.5ヶ月(95%信頼区間:17.5-26.7ヶ月)における結果は下記の通りである。主要評価項目である無病生存期間(DFS)中央値はゲムシタビン群12.8ヶ月(95%信頼区間:11.7-15.2ヶ月)に対してmFOLFIRINOX群21.6ヶ月(95%信頼区間:17.5-26.7ヶ月)、mFOLFIRINOX群で無病生存(DFS)のリスクを41%(ハザード比:0.49,95%信頼区間:0.47-0.74)減少した。
副次評価項目である全生存期間(OS)中央値はゲムシタビン群34.8ヶ月(95%信頼区間:28.6-43.8ヶ月)に対してmFOLFIRINOX群54.4ヶ月(95%信頼区間:41.5ヶ月-未到達)、死亡(OS)のリスクを34%(ハザード比:0.66,95%信頼区間:0.49-0.89)減少した。
また、無転移生存期間(MFS)中央値はゲムシタビン群17.7ヶ月(95%信頼区間:14.2-21.7ヶ月)に対してmFOLFIRINOX群30.4ヶ月(95%信頼区間:21.6ヶ月-未到達)、転移または死亡(MFS)のリスクを41%(ハザード比:0.59,95%信頼区間:0.46-0.76)減少した。
一方の安全性として、最も多くの患者で確認された治療関連有害事象(TRAE)は下記の通りである。ゲムシタビン群では頭痛、発熱、インフルエンザ様症状、浮腫、白血球減少症、mFOLFIRINOX群では下痢、吐き気、嘔吐、倦怠感などが確認された。なお、両群間で発熱好中球減少症の発症率に大きな差はなかった。
以上のPRODIGE 24/CCTG PA.6試験の結果よりThierry Conroy氏らは以下のように結論を述べている。”本試験は、膵管腺がん患者に対する術後療法の標準治療であるゲムシタビンに対する無病生存期間(DFS)、全生存期間(OS)、無転移生存期間(MFS)の優越性を証明した初の大規模試験の結果です。本試験の結果は、膵管腺がん患者の予後を向上させることになるでしょう。”