8月30日、アストラゼネカ株式会社は「切除不能な局所進行の非小細胞肺癌における根治的化学放射線療法後の維持療法」を効能・効果とした免疫チェックポイント阻害薬デュルバルマブ(商品名イミフィンジ)の販売を開始したと発表した。
イミフィンジは、切除不能な局所進行(ステージ3)非小細胞肺がんに対する治療薬として承認された、日本初の初の抗PD-L1ヒトモノクローナル抗体(抗PD-L1抗体)である。
目次
イミフィンジについて
イミフィンジは、2018年7月に「切除不能な局所進行の非小細胞肺癌における根治的化学放射線療法後の維持療法」を効能・効果として製造販売承認された日本初の抗PD-L1抗体である。
PD-L1に結合し、PD-L1とその受容体であるPD-1およびCD80の相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し、抗腫瘍免疫反応を誘発する。
海外では、2018年2月に白金製剤を含む同時化学放射線療法(CRT)後に病勢進行が認められなかった切除不能なステージ3のNSCLCに対する治療薬として米国で承認を取得し、さらに2018年5月にカナダ、2018年6月にスイスおよびインド、2018年7月にブラジルで薬事承認を取得している。
現在、イミフィンジは、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、尿路上皮がん、頭頸部がん、肝細胞がんならびにその他の固形がんの1次治療として、単剤療法ならびに、化学療法、放射線療法、低分子化合物および抗CTLA-4モノクローナル抗体であるトレメリムマブとの併用療法が検討されている。
イミフィンジの有効性と安全性について
本承認は第3相PACIFIC試験の良好な無増悪生存期間(PFS)データに基づいている。また、2018年5月に発表された全生存期間(OS)の中間解析では、プラセボ投与群との比較でイミフィンジ投与群の患者さんにおいて臨床的に意味のある延長を伴う統計学的に有意な結果が示された。
本試験結果の詳細については、今後学会等で発表する予定である。
有害事象はイミフィンジ投与群の患者さんにおいて460例(96.8%)、プラセボ投与群の患者さんにおいて222例(94.9%)に発現した。また、重篤な有害事象はイミフィンジ投与群の患者さんにおいて136例(28.6%)、プラセボ投与群の患者さんにおいて53例(22.6%)に発現した。イミフィンジ®投与群の患者さんにおいて発現した主な副作用は、承認時において、発疹73例(15.4%)、甲状腺機能低下症50例(10.5%)、下痢46例(9.7%)、間質性肺疾患46例(9.7%)等であった。
参考元:アストラゼネカ プレスルーム