・レブラミド併用療法の有効性を検証した第III相試験の結果が発表された
・対象は再発難治性濾胞性リンパ腫または濾胞辺縁帯リンパ腫患者だった
・併用群で病勢進行または死亡のリスクを54%統計学有意に減少した
2018年12月1日より4日まで米国・サンディエゴで開催されている第60回米国血液学会(ASH)にて、再発難治性濾胞性リンパ腫または濾胞辺縁帯リンパ腫患者に対する免疫調節薬(iMiDs)であるレナリドミド(商品名レブラミド;レブラミド)+抗CD20モノクロナール抗体薬であるリツキシマブ(商品名リツキサン;以下リツキサン)併用療法の有効性を比較検証した第III相のAUGMENT試験(NCT01938001)の結果がJohn Leonard氏により公表された。
AUGMENT試験とは、再発難治性濾胞性リンパ腫(N=295人)または濾胞辺縁帯リンパ腫(N=63人)患者に対して、28日を1サイクルとして1~21日目に1日1回レブラミド20mgを12サイクル+1日目にリツキサン375mg/㎡を5サイクル(1サイクル目のみ1,8,15,22日目に投与)併用療法を投与する群、またはリツキサン+プラセボ併用療法を投与する群に無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として全生存期間(OS)、客観的奏効率(ORR)、奏効持続期間(DOR)、治療関連有害事象(TRAE)発症率を比較検証した国際多施設共同二重盲検下の第III相試験である。
本試験の結果、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値はレブラミド+リツキサン併用群39.4ヶ月に対してリツキサン+プラセボ併用群14.1ヶ月、レブラミド+リツキサン併用群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを54%統計学有意に減少した(HR:0.46,95%信頼区間:0.34-0.62)。
副次評価項目である全生存期間(OS)の結果はデータが未成熟であるが、2年全生存率(OS)はレブラミド+リツキサン併用群93%に対して、リツキサン+プラセボ併用群87%、レブラミド+リツキサン併用群で死亡(OS)のリスクを39%減少する傾向が確認された(HR:0.61,95%信頼区間:0.33-1.13)。
客観的奏効率(ORR)はレブラミド+リツキサン併用群78%に対して、リツキサン+プラセボ併用群53%、奏効持続期間(DOR)中央値はレブラミド+リツキサン併用群37ヶ月に対してリツキサン+プラセボ併用群22ヶ月(HR: 0.53,95%信頼区間:0.36-0.79, P=0.0015)を示した。
一方、安全性として最も多くの患者で確認された治療関連有害事象(TRAE)は好中球減少症であり、レブラミド+リツキサン併用群で58%、リツキサン+プラセボ併用群で22%の患者で確認された。好中球減少症以外で多くの患者で確認された治療関連有害事象(TRAE)は下痢はレブラミド+リツキサン併用群31%に対してリツキサン+プラセボ併用群で23%、便秘はレブラミド+リツキサン併用群26%に対してリツキサン+プラセボ併用群で14%、咳はレブラミド+リツキサン併用群23%に対してリツキサン+プラセボ併用群で17%、倦怠感はレブラミド+リツキサン併用群22%に対してリツキサン+プラセボ併用群で18%であった。
以上のAUGMENT試験の結果よりJohn Leonard氏は以下のような結論を述べている。“再発難治性濾胞性リンパ腫または濾胞辺縁帯リンパ腫患者に対するレブラミド+リツキサン併用療法は、リツキサン+プラセボ併用療法に比べて2倍以上の無増悪生存期間(PFS)の延長を示しました。以上の結果より、レブラミド+リツキサン併用療法は本患者に対する有効な治療選択肢になり得るでしょう。”