・抗PD-1抗体薬治療歴のある切除不能転移性悪性黒色腫などの患者が対象の第1b/2相試験
・Entinostat+キイトルーダ併用療法の有効性・安全性を検証
・Entinostatを併用することで抗PD-1抗体薬の抵抗性を解除できる可能性
2019年3月29日より4月3日まで米国・アトランタで開催された第110回米国癌学会議(AACR2019)にて抗PD-1抗体薬治療歴のある非小細胞肺がん、切除不能転移性悪性黒色腫(メラノーマ)、ミスマッチ修復欠損を有する大腸がん患者に対するHDAC阻害薬であるEntinostat+抗PD-1抗体薬であるペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ;以下キイトルーダ)併用療法の有効性、安全性を検証した第1b/2相のENCORE 601試験(NCT02437136)の切除不能転移性悪性黒色腫(メラノーマ)群における結果がMassachusetts General Hospital Cancer CenterのRyan Sullivan氏らにより公表された。
ENCORE 601試験とは、抗PD-1抗体薬治療中または治療後に病勢進行した切除不能転移性悪性黒色腫(メラノーマ)患者に対して1週間に1回Entinostat 5mg+3週間に1回キイトルーダ200mg併用療法を投与し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)を検証したシングルアームの第1b/2相である。
本試験の評価可能であった53人の切除不能転移性悪性黒色腫(メラノーマ)群における結果、客観的奏効率(ORR)19%を示し、その内訳は部分奏効率(PR)9人、完全奏効率(CR)1人であった。また、奏効持続期間(DOR)中央値は12.5ヶ月を示し、現在も5人患者で奏効は持続している。
以上のENCORE 601試験の結果よりRyan Sullivan氏らは以下のようにコメントを述べている。”切除不能転移性悪性黒色腫(メラノーマ)をはじめ多くの患者は抗PD-1抗体薬により奏効が得られますが、後に抵抗性を示します。本試験以外にも抗PD-1抗体薬抵抗性を示した患者に対する治療法の有用性を探索中ですが、HDAC阻害薬であるEntinostatを併用することで抗PD-1抗体薬の抵抗性を解除できる可能性が示唆されました。”