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進行性非淡明細胞型腎細胞がん患者に対するテセントリク+アバスチン、客観的奏効率33%を示す

この記事の3つのポイント
・進行性非淡明細胞型腎細胞がん患者が対象の第2相試験
・テセントリク+アバスチン併用療法の有効性安全性を検証
・客観的奏効率は33%、PD-L1陽性患者群では60%を示した

2019年11月13日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて進行性非淡明細胞型腎細胞がん患者に対する抗PD-L1抗体薬であるアテゾリズマブ(商品名テセントリク;以下テセントリク)+ベバシズマブ(商品名アバスチン;以下アバスチン)併用療法の有効性、安全性を検証した第2相試験の結果がDana-Farber Cancer InstituteのBradley A. McGregor氏らにより公表された。

本試験は、進行性非淡明細胞型腎細胞がん(肉腫様型、乳頭状、色素嫌性型、未分類型、TFE3転座型、集合管、 腎髄質、N=60人)に対して3週を1サイクルとして抗PD-L1抗体薬テセントリク1200mg+アバスチン15mg/kg併用療法を投与し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)、副次評価項目として無増悪生存期間PFS)、安全性などを検証した第2相試験である。

本試験が実施された背景として、腎細胞がんの中で最も多い組織型は淡明細胞型腎細胞がんであり、それ以外の組織型は約20%程度である。腎細胞がんの中でも肉腫様型腎細胞がんをはじめ非淡明細胞型腎細胞がんは予後不良であり、治療薬に対する奏効も不十分である。以上の背景より、他の臨床試験にて進行性腎細胞がんに対する抗腫瘍効果が確認されているテセントリク+アバスチン併用療法の有用性が検証された。

本試験に登録された患者背景は下記の通りである。年齢中央値は61歳(22-82歳)。性別は男性78%。ECOG Performance statusはスコア0が48%、スコア1が50%、スコア2が2%。診断時点のMステージはM0が13%、M1が27%、不明が60%。転移部位は骨2%、肝臓18%。腎細胞がんの組織型は淡明細胞型30%、乳頭状20%、色素嫌性型17%、未分類型15%、TFE3転座型8%、集合管15%、腎髄質2%、肉腫様型43%である。

以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は33%、肉腫様型26%、乳頭状25%、色素嫌性型10%、未分類型33%、TFE3転座型20%、集合管40%、腎髄質100%の奏効率をそれぞれ示した。また、PD-L1発現率別の客観的奏効率(ORR)はPD-L1陽性患者群で60%(N=9人)、PD-L1陰性患者群で19%(N=4人)を示した。

副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値は8.3ケ月(95%信頼区間:5.7-10.9ケ月)を示した。奏効持続期間(DOR)中央値は8.9ケ月(95%信頼区間:1.4-29ケ月)を示した。

一方の安全性として、最も多くの患者で確認された全グレードの治療関連有害事象(TRAE)は疲労83%、筋骨格痛82%、タンパク尿45%、下痢45%、呼吸困難40%、悪心40%、高血圧38%を示した。なお、グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)を発症した患者は34人確認されており、死亡は1人確認されたが、その原因は病勢進行によるものであった。

以上の第2相試験の結果よりBradley A. McGregor氏らは以下のように結論を述べている。”進行性腎細胞がん(variant histology/sarcomatoid differentiation)患者に対するテセントリク+アバスチン併用療法は良好な抗腫瘍効果を示し、忍容性も問題ありませんでした。”

Results of a Multicenter Phase II Study of Atezolizumab and Bevacizumab for Patients With Metastatic Renal Cell Carcinoma With Variant Histology and/or Sarcomatoid Features(J Clin Oncol. 2019 Nov 13:JCO1901882. doi: 10.1200/JCO.19.01882.)

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