・中等度/ハイリスクくすぶり型多発性骨髄腫患者が対象の第3相試験
・免疫調整薬レブラミドによる早期治療介入の有効性・安全性を比較検証
・無増悪生存期間は経過観察群に比べてレブラミド群で統計学的有意に改善
2019年10月25日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて中等度/ハイリスクくすぶり型多発性骨髄腫(Smoldering multiple myeloma)患者に対する免疫調整薬(iMids)レナリドミド(商品名レブラミド;以下レブラミド)による早期治療介入の有効性、安全性を比較検証した第3相試験の結果がWinship Cancer InstituteのSagar Lonial氏らにより公表された。
本試験は、中等度/ハイリスクくすぶり型多発性骨髄腫患者(N=182人)に対して28日を1サイクルとして1~21日目にレブラミド25mg単剤療法を投与する群(N=90人)、または経過観察をする群(N=92人)に無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)を比較検証した第3相試験である。
本試験が実施された背景として、くすぶり型多発性骨髄腫患者の現在の標準治療は経過観察である。しかしながら、免疫調整薬レブラミドにより早期治療介入することで病勢進行のリスクを軽減する可能性がある。以上の背景より、中等度/ハイリスクくすぶり型多発性骨髄腫に対するレブラミド単剤療法の有用性を確認する目的で本試験が開始された。
本試験の結果、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)は経過観察群に比べてレブラミド群で統計学的有意に改善していた(HR:0.28,95%信頼区間:0.12-0.62,P=0.002)。また、1年無増悪生存率(PFS)はレブラミド群98%に対して経過観察群89%、2年無増悪生存率(PFS)はレブラミド群93%に対して経過観察群76%、3年無増悪生存率(PFS)はレブラミド群91%に対して経過観察群66%を示した。
以上の第3相試験の結果よりSagar Lonial氏らは以下のように結論を述べている。”中等度/ハイリスクくすぶり型多発性骨髄腫に対する免疫調整薬レブラミド単剤療法は、無増悪生存期間(PFS)を統計学的有意に改善しました。”