・プラチナ系抗がん剤治療後に病勢進行した小細胞肺がん患者が対象の第2相試験
・2次治療としてRNAポリメラーゼII阻害薬Lurbinectedin単剤療法の有効性・安全性を検証
・客観的奏効率は35.2%を示し、忍容性も良好だった
2020年3月27日、医学誌『The Lancet Oncology』にてプラチナ系抗がん剤治療後に病勢進行した小細胞肺がん患者に対する2次治療としてのRNAポリメラーゼII阻害薬であるLurbinectedin(PM1183)単剤療法の有効性、安全性を検証した第2相試験(NCT02454972)の結果がHospital Universitario Virgen de la VictoriaのJosé Trigo氏らにより公表された。
本試験は、プラチナ系抗がん剤後に病勢進行した小細胞肺がん患者に対する2次治療として3週を1サイクルとしてLurbinectedin(PM1183)3.2mg/m2単剤療法を投与し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)、副次評価項目として安全性、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)などを検証したシングルアームオープンラベルの第2相試験である。
本試験のフォローアップ期間中央値17.1ヶ月(6.5-25.3ヶ月)時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は35.2%(95%信頼区間:26.2%-45.2%)を示した。一方の安全性として、最も多くの患者で確認されたグレード3~4の治療関連有害事象(TRAE)は貧血9%、白血球減少症29%、好中球減少症46%、血小板減少症7%。 重篤な治療関連有害事象(STRAE)発症率10%、その内訳は好中球減少症5%、発熱性好中球減少症5%で最も多かった。なお、治療に関連した死亡は1人の患者も報告されていない。
以上の第2相試験の結果よりJosé Trigo氏らは以下のように結論を述べている。”小細胞肺がん患者に対する2次治療としてのRNAポリメラーゼII阻害薬であるLurbinectedin(PM1183)は客観的奏効率(ORR)35.2%を示し、忍容性も良好でした。以上の結果より、Lurbinectedin(PM1183)は小細胞肺がんの2次治療選択肢になり得る可能性が示唆されました。”