・免疫チェックポイント阻害薬ナイーブの進行性肝細胞がん患者が対象の第2相試験
・抗PD-L1抗体薬イミフィンジ+抗CTLA-4抗体薬トレメリムマブ療法の有効性・安全性を検証
・全生存期間が18.7ヶ月、客観的奏効率22.7%を示した
2020年5月29日~31日、バーチャルミーティングで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO 2020)にて免疫チェックポイント阻害薬ナイーブの進行性肝細胞がん患者に対する抗PD-L1抗体薬であるデュルバルマブ(商品名イミフィンジ 以下、イミフィンジ)と抗CTLA-4抗体薬であるトレメリムマブの併用療法の有効性、安全性を検証した第2相試験(NCT02519348)の結果がUniversity of California San FranciscoのRobin Kate Kelley氏らにより公表された。
本試験は、免疫チェックポイント阻害薬ナイーブの進行性肝細胞がん患者に対して、それぞれ4週を1サイクルとしてイミフィンジ1500mg+トレメリムマブ300mg併用投与する群(N=75人,D+T300)、イミフィンジ1500mg+トレメリムマブ75mg併用投与する群(N=84人,D+T75)、イミフィンジ1500mg単剤投与する群(N=104人,D)、トレメリムマブ750mg単剤投与する群(N=69人,T)の4つに振り分け、主要評価項目として安全性、副次評価項目として全生存期間(OS)、客観的奏効率(ORR)、奏効持続期間(DOR)などを検証した。
本試験の結果、グレード3~4の治療関連有害事象(TRAE)発症率はD+T300群35.1%、D+T75群24.4%、D群17.8%、T群42.0%を示した。また、治療関連有害事象(TRAE)による治療中止率はD+T300群10.8%、D+T75群6.1%、D群7.9%、T群11.6%を示した。
副次評価項目である全生存期間(OS)中央値はD+T300群18.7ヶ月(95%信頼区間:10.8ヶ月-未到達)、D+T75群11.3ヶ月(95%信頼区間:8.4-14.6ヶ月)、D群11.7ヶ月(95%信頼区間:8.5-16.9ヶ月)、T群17.1ヶ月(95%信頼区間:10.9ヶ月-未到達)を示した。
客観的奏効率(ORR)はD+T300群22.7%(95%信頼区間:13.8%-33.8%)、D+T75群9.5%(95%信頼区間:4.2%-17.9%)、D群9.6%(95%信頼区間:4.7%-17.0%)、T群7.2%(95%信頼区間:2.4%-16.1%)を示した。奏効持続期間(DOR)中央値はD+T300群未到達、D+T75群13.2ヶ月、D群14.8ヶ月、T群24.0ヶ月を示した。
第2相試験の結果よりRobin Kate Kelley氏らは「免疫チェックポイント阻害薬ナイーブの進行性肝細胞がん患者に対する抗PD-L1抗体薬イミフィンジ+抗CTLA-4抗体薬トレメリムマブ300mg併用療法は、他の併用療法、単剤療法に比べて臨床的意義のある抗腫瘍効果、忍容性を示しました」と結論を述べている。