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レンビマ、切除不能な胸腺がんの適応追加を申請

7月30日、エーザイ株式会社とMSD株式会社は、マルチキナーゼ阻害剤であるレンビマ(一般名:レンバチニブメシル酸塩、以下レンビマ)が、日本において切除不能な胸腺がんに対して適応追加を申請したと発表した。レンビマは2020年6月に希少疾患用医薬品(オーファンドラッグ)の指定を受けていた。

レンビマは、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)1/2/3をはじめとする腫瘍血管新生または腫瘍悪性化に関連する受容体型チロシンキナーゼに対する選択的阻害活性を有するマルチキナーゼ阻害剤である。がん微小環境下で免疫抑制因子であるマクロファージの割合を減少させ、インターフェロンガンマ(IFN-γ)シグナル伝達刺激により抗腫瘍免疫活性をもたらす。

今回の申請は、国内の医師主導第2相試験(NCCH1508試験)の結果に基づいている。少なくとも1レジメン以上、プラチナ製剤での前治療歴がある胸腺がん(N=42人)に対して、レンビマ単剤を投与した結果、主要評価項目である奏効率が38.1%を示し達成された。また、既承認の適応と同様の安全性プロファイルであった。

エーザイとMSDは2018年10月より、日本におけるレンビマの情報提供を協業している。今回の申請はエーザイが行った。両社は引き続き、がん患者への貢献を最大化していくことを目標としている。

胸腺がんについて
日本での患者数が140~200人程度の希少がん。治療としては、プラチナ製剤を含む一次療法が推奨されているが、二次治療以降の標準治療は確立しておらず、予後不良な疾患であり、新たな治療薬の開発が期待されている。

NCCH1508試験(REMORA試験)について
少なくとも1回以上のプラチナ製剤による前治療後に病勢進行が認められた胸腺患者42名に対して、レンビマ1日1回24mgより投与し、患者の状態に合わせて適宜減量しながら、病勢進行もしくは許容できない毒性が認められるまで投与された医師主導の第2相試験。主要評価項目である奏効率(ORR)は38.1%であり、無増悪生存期間PFS)は9.3ヶ月、病勢コントロール率DCR)は95.2%であった。

参照元:
エーザイ株式会社 プレスリリース

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