・一次治療後に病勢進行した胆のうがん患者が対象の第2相試験
・ゼローダ+イリノテカン併用療法の有効性・安全性をイリノテカン単剤療法と比較検証
・全生存期間は併用群5.16ヵ月、単剤群6.28ヵ月で統計学的な有意差は認めず
2020年12月3日、医学誌『JAMA Oncology』にて一次治療後に病勢進行した進行性胆のうがん患者に対するゼローダ(一般名:カペシタビン、以下ゼローダ)+イリノテカン併用療法の有効性、安全性を検証した第2相のGB-SELECT試験の結果がHomi Bhabha National InstituteのAnant Ramaswamy氏らにより公表された。
GB-SELECT試験とは、一次治療後に病勢進行した進行性胆のうがん患者(N=98人)に対して21日を1サイクルとして1~14日目にゼローダ1700mg/m2/日+1日目にイリノテカン200mg/m2併用療法を投与する群(N=49人)、または21日を1サイクルとして1日目にイリノテカン240mg/m2単剤療法を投与する群(N=49人)に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として6ヵ月全生存期間(OS)、副次評価項目として無増悪生存期間(PFS)を比較検証した第2相の多施設共同ランダム化試験である。
本試験に登録された患者の年齢中央値は51歳(29~70歳)、61%が女性であった。主要評価項目である6ヵ月全生存率(OS)はゼローダ+イリノテカン併用群38.4%(95%信頼区間:24.2%-52.6%)に対してイリノテカン単剤群54.2%(95%信頼区間:39.4%-69.0%)だった。
また、全生存期間(OS)中央値はゼローダ+イリノテカン併用群5.16ヵ月(95%信頼区間:4.26-6.06ヵ月)に対してイリノテカン単剤群6.28ヵ月(95%信頼区間:4.25-8.30ヵ月)であり、死亡(OS)のハザードリスクは1.02(95%信頼区間:0.64-1.49、P=0.93)で、両群間の統計学的な有意差は確認されなかった。
以上のGB-SELECT試験の結果よりAnant Ramaswamy氏らは「ファーストライン治療後に病勢進行した進行性胆のうがん患者に対するゼローダ+イリノテカン併用療法は、イリノテカン単剤療法に比べて全生存期間(OS)で統計学的有意な改善は確認されませんでした。以上の結果より、進行性胆のうがん患者に対してはイリノテカン単剤療法による治療が好ましいでしょう」と結論を述べている。