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HER2陽性の早期乳がんに対する術前療法としてのPhesgo単剤療法、ペルツズマブ+トラスツマブ併用療法に対して血清中ペルツズマブ濃度の非劣勢を示す

この記事の3つのポイント
HER2陽性のステージII/IIIC乳がん患者が対象の第3相試験
・術前療法としての配合皮下注射製剤であるPhesgo(フェスゴ)の有効性安全性を比較検証
・血清中ペルツズマブ濃度はペルツズマブ+トラスツズマブ併用に対して非劣勢を示した

2020年12月21日、医学誌『The Lancet Oncology』にてHER2陽性のステージII/IIIC乳がん患者に対する術前療法としての配合皮下注射製剤であるPhesgo(フェスゴ:固定用量のペルツズマブ+トラスツズマブ+ヒアルロニダーゼ-zzxf)の有効性、安全性を検証した第3相のFeDeriCa試験(NCT03493854)の結果がLevine Cancer InstituteのAntoinette R Tan氏らにより公表された。

FeDeriCa試験とは、HER2陽性のステージII/IIIC乳がん患者に対する術前療法として3週を1サイクルとしてペルツズマブ840mg+トラスツズマブ8mg/kg併用療法を4サイクル投与する群(N=252人)、または3週を1サイクルとしてPhesgo(ペルツズマブ1200mg+トラスツズマブ600mg+ヒアルロニダーゼ-zzxf15mL)を4サイクル投与する群(N=248人)に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として血清中ペルツズマブ濃度を検証した国際多施設共同非劣勢の第3相試験である。なお、術後は維持療法としては、ペルツズマブ+トラスツズマブ併用群、Phesgo群それぞれで14サイクル投与している。

主要評価項目である血清中ペルツズマブ濃度はペルツズマブ+トラスツズマブ併用群に対してPhesgo群の非劣勢が示された(Genomic ratio:1.22、90%信頼区間:1.14–1.31)。5%以上の患者で確認されたグレード3~4の有害事象(AE)は、好中球減少症がペルツズマブ+トラスツズマブ併用群の13%に対してPhesgo群で14%、好中球数減少がペルツズマブ+トラスツズマブ併用群の12%に対してPhesgo群で11%、発熱性好中球減少症がペルツズマブ+トラスツズマブ併用群の6%に対してPhesgo群で6%、下痢がペルツズマブ+トラスツズマブの併用群5%に対してPhesgo群で7%、白血球数減少がペルツズマブ+トラスツズマブ併用群の7%に対してPhesgo群で4%だった。また、重篤な治療関連有害事象(TRAE)はペルツズマブ+トラスツズマブ併用群の10%に対してPhesgo群で10%だった。

以上のFeDeriCa試験の結果よりAntoinette R Tan氏らは「HER2陽性のステージII/IIIC乳がん患者に対する術前療法としてのPhesgoは、ペルツズマブ+トラスツズマブ併用療法に対する血清中ペルツズマブ濃度の非劣勢が証明されました。また、安全性に関しても両群間で同様の安全性プロファイルを示しました」と結論を述べている。

Fixed-dose combination of pertuzumab and trastuzumab for subcutaneous injection plus chemotherapy in HER2-positive early breast cancer (FeDeriCa): a randomised, open-label, multicentre, non-inferiority, phase 3 study(Lancet Oncol. 2021 Jan;22(1):85-97. doi: 10.1016/S1470-2045(20)30536-2. Epub 2020 Dec 21.)

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