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進行食道扁平上皮がんに対する2次治療としてのオプジーボ単剤療法、5年追跡結果で客観的奏効率17.2%を示す

この記事の3つのポイント
・前治療に不応/不耐を示した進行食道扁平上皮がん患者が対象の第2相試験
・5年長期フォローアップ時のオプジーボ単剤療法の有効性安全性を検証
・客観的奏効率17.2%を示す

2021年1月15日~17日、オンラインミーティングで開催された2021 Gastrointestinal Cancers Symposium(ASCO GI 2021)にて前治療の化学療法に不応/不耐を示した進行食道扁平上皮がん患者に対する2次化学療法としての抗PD-1抗体薬であるオプジーボ(一般名:ニボルマブ、以下オプジーボ)単剤療法の有効性、安全性を検証した第2相のATTRACTION-1/ONO-4538-07試験の5年長期フォローアップの結果が国立がん研究センター中央病院・加藤健氏らにより公表された。

ATTRACTION-1/ONO-4538-07試験とは、前治療に不応/不耐を示した進行食道扁平上皮がん患者(N=65人)に対して6週を1サイクルとして2週間隔でオプジーボ3mg/kg単剤療法を病勢進行または予期せぬ有害事象(AE)が発現するまで投与し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)、副次評価項目として全生存期間OS)、無増悪生存期間PFS)などを検証したオープンラベルシングルアーム多施設共同の第2相試験である。

本試験は2014年2月25日~11月14日までの期間に患者登録が完了し、64人の患者で有効性が評価され、5年長期フォローアップ解析が実施されたのは2020年8月6日である。

解析の結果、主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は17.2%(N=11/64人、95%信頼区間:9.9~28.2%)を示した。

副次評価項目である全生存期間(OS)中央値は10.8ヶ月(95%信頼区間:7.4~13.9ヶ月)、5年全生存率(OS)は6.3%(95%信頼区間:2.0%-14.0%)を示した。また、無増悪生存期間(PFS)中央値は1.5ヶ月(95%信頼区間:1.4~2.8ヶ月)、5年無増悪生存率(OS)は6.8%(95%信頼区間:2.2~15.1%)を示した。

一方の安全性として、10%以上の患者で確認された全グレードの治療関連有害事象(TRAE)は下痢、皮膚障害であった。

以上のATTRACTION-1/ONO-4538-07試験の5年長期フォローアップの結果より加藤健氏らは「前治療に不応/不耐を示した進行食道扁平上皮がん患者に対する2次化学療法としての抗PD-1抗体薬オプジーボ単剤療法は、長期間に渡り持続的な抗腫瘍効果を示しました。さらに安全性においても新たな有害事象は確認されませんでした」と結論を述べている。

Nivolumab in advanced esophageal squamous cell carcinoma (ATTRACTION-1/ONO-4538-07): Minimum of five-year follow-up.(2021 Gastrointestinal Cancers Symposium,Abstract No:207)

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