がん情報サイト「オンコロ」

再発/難治性濾胞性リンパ腫に対するオプジーボ単剤療法、客観的奏効率は4%

この記事の3つのポイント
・治療歴のある再発/難治性濾胞性リンパ腫患者が対象の第2相試験
オプジーボ単剤療法の有効性安全性を検証
・客観的奏効率は4%であり、抗腫瘍効果は非常に限定的であった

2月4日、医学誌『blood』にて治療歴のある再発/難治性濾胞性リンパ腫患者に対する抗PD-1抗体薬であるオプジーボ(一般名:ニボルマブ、以下オプジーボ)単剤療法の有効性、安全性を検証した第2相のCheckMate140試験(NCT02038946)の結果がDana-Farber Cancer InstituteのPhilippe Armand氏らにより公表された。

CheckMate140試験とは、少なくとも2レジメン以上の治療歴のある再発/難治性濾胞性リンパ腫患者(N=92人)に対して2週を1サイクルとしてオプジーボ3mg/kg単剤療法を病勢進行または予期せぬ有害事象(AE)が発現するまで投与し、主要評価項目として独立審査委員会評価による客観的奏効率(ORR)、副次評価項目として無増悪生存期間PFS)、奏効持続期間(DOR)などを検証した第2相試験である。

本試験が開始された背景として、濾胞性リンパ腫は病勢進行が緩徐な疾患であるにも関わらず、大半の患者が既存の治療薬では治癒を達成できず再発を経験する。近年、PI3K阻害薬+iMids(免疫調整薬)レナリドミドの併用により再発/難治性濾胞性リンパ腫における治療成績は向上しているが、再発率は少なくない。また、治療歴のある再発/難治性濾胞性リンパ腫患者に対する抗PD-1抗体薬オプジーボ単剤療法は第1相試験にて良好な抗腫瘍効果を示している。

本試験の結果、主要評価項目である客観的奏効率(ORR)4%(95%信頼区間:1~11%、N=4/92人)を示し、事前に設定した主要評価項目達成基準を達成できなかった。奏効の内訳は完全奏効(CR)1人、部分奏効(PR)3人を示した。副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値は2.2ヶ月(95%信頼区間:1.9~3.6ヶ月)、奏効持続期間(DOR)中央値は11ヶ月(95%信頼区間:8~14ヶ月)であった。

以上のCheckMate140試験の結果よりPhilippe Armand氏らは「少なくとも2レジメン以上の治療歴のある再発/難治性濾胞性リンパ腫患者に対する抗PD-1抗体薬オプジーボ単剤療法の抗腫瘍効果は非常に限定的でした」と結論を述べている。

Efficacy and safety results from CheckMate 140, a phase 2 study of nivolumab for relapsed/refractory follicular lymphoma(Blood. 2021 Feb 4;137(5):637-645. doi: 10.1182/blood.2019004753.)

×
モバイルバージョンを終了