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KRASG12C遺伝子変異陽性の進行性固形がんに対するKRAS阻害薬アダグラシブ単剤療法、客観的奏効率45%を示す

この記事の3つのポイント
・KRASG12C遺伝子変異陽性の進行性固形がん患者が対象の第1/2相試験の非小細胞肺がんのコホート
・Adagrasib(アダグラシブ)単剤療法有効性安全性を検証
・客観的奏効率は45%を示し、全ての患者で部分奏効を認めた

2021年3月25日~27日、オンラインミーティングで開催されたEuropean Lung Cancer Virtual Congress 2021(ELCC 2021)にて、KRASG12C遺伝子変異陽性の進行性固形がん患者に対するKRAS阻害薬であるAdagrasib(MRTX849)単剤療法の有効性、安全性を検証した第1/2相のKRYSTAL-1試験(NCT03785249)の非小細胞肺がんコホートの結果がMemorial Sloan Kettering Cancer Center and Weill Cornell Medical College in New YorkのGregory Riely氏らにより公表された。

KRYSTAL-1試験の非小細胞肺がんコホートでは、抗PD-1抗体薬と化学療法の後に病勢進行したKRASG12C遺伝子変異陽性の切除不能/転移性非小細胞肺がん患者(第1相試験でN=18人、第2相試験でN=61人)に対して1日2回Adagrasib(MRTX849)600mg単剤療法を投与し、主要評価項目として安全性、最大耐用量(MTD)などを検証した第1/2相試験である。

本試験に登録された患者背景は下記の通りである。年齢中央値は65歳。性別は女性57%。人種は白人85%。ECOG Performance StatusPS)スコアは1が78%。組織学的分類は非扁平上皮がん96%。以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。

他コホートの患者31人を含む、安全性が評価可能であった110人の患者における全グレードの治療関連有害事象(TRAE)発症率は85%、最も多くの患者で確認された治療関連有害事象(TRAE)は下記の通りである。悪心54%、下痢51%、嘔吐35%、倦怠感32%、アラニントランスアミナーゼレベルの増加20%、アスパラギン酸トランスアミナーゼレベルの増加17%。グレード3〜4の治療関連有害事象(TRAE)発症率は30%であり、内訳は倦怠感6%、肝酵素レベルの増加5%、QT延長3%などを示した。なお、治療関連有害事象(TRAE)による治療中止率は4.5%であった。

一方の有効性として、有効性の評価可能であった51人の患者における客観的奏効率(ORR)は45%を示し、全ての患者で部分奏効(PR)が確認された。また、病勢安定率(SD)51%、病勢コントロール率DCR)96%を示した。

なお、Gregory Riely氏は「KRYSTAL-1試験はKRASG12CとSTK11の2つの変異を持つ患者の新たなコホートで進行中である」と述べている。

KRYSTAL-1: Activity and Preliminary Pharmacodynamic (PD) Analysis of Adagrasib (MRTX849) in Patients (Pts) With Advanced Non-Small- Cell Lung Cancer (NSCLC) Harboring KRASG12C Mutation(European Lung Cancer Virtual Congress 2021,Abstract 990_PR)

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